SUGOのマモノがTEAM YAMATOに襲い掛かる
では話をレースに戻しましょう。スタートして数周は大きな順位変動はなく。ですが5周をすぎたあたりの1コーナーで混乱があり、気づけばTEAM YAMATOはトップに立っているではありませんか! これは終了1時間前にピットに戻らねばならないと、写真をいっぱい撮る筆者。
ですが、いつしか順位は後退。どうやらレースペースが上がらないようです。そうこうしているうちに、順位は7番手あたりまで後退。
レース中にピットへ訪れると、椋本さんはスマホの画面を見ながら、メカニックと打ち合わせ。どうやらピット作業中の様子を動画撮影し、改善方法を模索しているようです。ちなみに今大会では2回ピット作業が行なわれて、都度ドライバーが交代。なるほど、すぐに改善を試みることも、業務につながるというわけですね。
SUGOにはマモノが棲むといわれています。この日のレースはセーフティーカーが入るような荒れた展開ではないものの、マモノはTEAM YAMATOに襲いかかりました。2回目のピットインの少し前、オーバーテイクをしようとしたところ、リアバンパーが外れてしまったのです。メカニックはモニターを見ながら作業内容を決定。データエンジニアはオフィシャルと相談し、コントロールタワーからの指示が出るまではマシンを走行させることを決定。メカニックは補修用としてガムテームを幾重にも張り合わせて1枚のシートを作ります。
この判断に至るまで、ピット内は至って冷静かつ迅速に行動するあたりに関心した次第。筆者ならスグに血圧が上がって大騒ぎしていることでしょう。
そしてピットイン。ドライバー交代はせず、タイヤ交換、給油、そしてバンパー修理をしてピットアウト。タイムロスは最小限に抑えてゴールを目指します。
その後、120号車のスピリット・レーシングのロードスターをアウトから大外刈り! ポジションを6位としてチェッカーを受けました。チームに喜びの表情はなく、少し寂しそう。レースが終われば撤収準備が始まり、ピットウォーク中はご飯タイムでした。
レースを終え椋本さんは「予選は良かったのですが、決勝ではペースが上がらなかったのが残念です」と悔しそう。今後のレースについては「次のオートポリス戦は遠いのでお休みします。9月のもてぎはST-5クラスの参戦はないので、一番近いのは10月の岡山国際ですね。テクニカルなコースなので、FITに合っているといいのですが」と、当分の間、スーパー耐久シリーズの参戦はないとのことでした。椋本さんたちの挑戦、活動は涼しくなるころ、また燃え盛ることでしょう。