7年ぶりの秋葉原散策を終えた
ヨンさんにインタビュー
――久しぶりに秋葉原に来たそうですが、感想はいかがでしたか?
【ヨン】ここ数年はコロナ禍で来られなかったから、たぶん7年ぶりくらいかな? アキバは新しいモノだけじゃなくて、古いガジェットや昔のビデオゲームなどを見つけられる場所だから大好きな街なんだ。実は明日も空き時間があったら、こっそりアキバを歩こうと思ってるんだ(笑)。
――スーパーポテトでかなり真剣に物色していましたが、お目当ての商品は見つかりましたか?
【ヨン】昨日ヨドバシカメラで「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」を買っちゃったから、スーパーポテトはレトロゲームを探しに行ったんだよね。「ニンテンドーDSi」と「New スーパーマリオブラザーズ」を買えてよかったよ。
――その商品を買った理由は?
【ヨン】ニンテンドーDSiは、僕がかつて作っていたブラウザー「Opera」と共同開発した「ニンテンドーDSiブラウザー」が初めから入っているゲーム機なんだ。やっぱり思い入れのあるハードなので、見つけたら買っちゃうよね(笑)。
――では、「New スーパーマリオブラザーズ」を買った理由は?
【ヨン】サイコーにグレートなゲームだから! これに尽きるよ!! あと「ゲーム&ウオッチコレクション2」も買ったんだけど、これには「ドンキーコング」は入ってないよね? 妻が昔よく「ドンキーコング」を遊んでいたからお土産にしたかったんだけどなぁ。「ドンキーコング」が入ってる「ゲーム&ウオッチコレクション(1)」は売ってなかったんだよね。残念……。
――アメリカでもレトロゲームは買えると思いますが、日本で買うのはなぜですか?
【ヨン】もちろんアメリカでも買えるゲームは多いよ。でもね、日本と違って状態が悪い商品が多いんだ。日本の中古ソフトって、箱もマニュアルも新品みたいにきれいだから、こういうのはアメリカじゃなかなか買えないんだよね。
――そもそも、ヨンさんは昔からゲームが好きなのですか?
【ヨン】好きだねぇ~。通っていた高校の隣に、アーケードゲームを遊べる場所があったんだけど、毎日のように通ってたよ。さらにノルウェーに住んでいたころは、よくフェリーでデンマークまで行っていたんだけど、航行中はずっと船内にあるゲームコーナーで遊んでた。元々コンピューター自体に興味があったから、ゲームも昔から大好きだったのかもね。
――一番好きなゲームは?
【ヨン】選ぶのは難しいけど、ナムコの「ギャラクシアン」とタイトーのアーケード版の「フロントライン」かな? 自宅にはアーケード筐体を並べた部屋があって、いろいろそろってるよ。ビデオゲーム以外も入れていいんだったら、ピンボールの「Revenge from Mars」が大好き。これは言葉で説明するのは難しいんだけど、ピンボールの盤面の上にゲームの映像が透過スクリーンみたいに映るんだ。仕掛けは透過スクリーンじゃなくて、鏡に反射させた映像が、立体的に映っているような感じ。伝わるかな?(笑)
せっかくなので、来日した本当の理由
ブラウザー「Vivaldi」について聞いた
――そもそも、今回の来日はアキバツアーではなくて「Vivaldi」の発表だと思いますが、なぜ日本で先行公開したのですか?
【ヨン】日本には「Vivaldi」ユーザーがいっぱいいるんだよ。それこそ、僕が「友達だ!」と言えるくらい親しいユーザーがたくさん。日本はiOSのユーザーも多いしね。だからiOS版を「まずは日本で先行公開したい!」と思ったんだ。
――なるほど。だからファンイベントも同時開催したのですね。
【ヨン】そうなんだ。40人くらいのユーザーが集まってくれたよ。中には「Opera」時代からのヘビーユーザーもいてうれしかったなぁ。
――日本人のユーザーは多い方ですか?
【ヨン】多いもなにも、アメリカについで2番目に多いんだよ!(笑) しかも数年前までは、日本人ユーザーが一番多かった。人口はアメリカの方が2.5倍くらい多いのに、すごいよね。
――日本で「Vivaldi」が人気な理由は、なぜだと思いますか?
【ヨン】日本人は新しいテクノロジーに興味を示す人が多いからだと思う。日本には、僕らが「Opera」をやってきた時から応援してくれる人も多いし、「Vivaldi」から使い始めて熱狂的に応援してくれる人もたくさんいるんだ。今回の記者会見とユーザーイベントではたくさんの人と話して、ブラウザーの活用やカスタマイズへの熱い思いをたくさん聞けたよ。これからも日本のユーザーの声はたくさん聞いていきたい。
――なるほど! ファン思いですね!
【ヨン】あとは、熱心なファンじゃなくても、さっき話した「ニンテンドーDSi」の搭載ブラウザーとか、かつて発売されていた「Opera」内蔵の京セラの携帯電話とか、日本人は僕らのソフトウェアを目にする機会が多かった、という理由もあるんじゃないかな。
――ファンミーティングに参加した感想はいかがでしたか?
【ヨン】一言でいうと、本当に素晴らしかった(笑)。7人くらいのユーザーに、「Vivaldi」をどのように使っているかをプレゼンしてもらうコーナーがあったんだよ。それを見るのが一番の楽しみだった。ユーザーから直接いろんな意見を聞けたので、今後の開発に反映しようと思ってるんだ。
――「Vivaldi」はサクサク動くのが特徴のひとつだと思いますが、機能強化をしすぎると重くなりませんか?
【ヨン】それは、Operaの頃から本当によく聞かれた質問だね。でも、実際には重くならずに使えるブラウザーをずっと提供してきたでしょ? 今後も重くならないように気をつけて開発するよ。それに、新機能を追加したからといって、全ユーザーに使ってもらう必要はないと思ってる。極限まで軽くしたかったら、不必要な機能をオフにしてもらってかまわないよ。
ブラウザーに搭載されたゲーム「Vivaldia」
未体験の読者はぜひ一度プレイしてみて
――「Vivaldi」の今後の予定を聞かせていただけますか?
【ヨン】記者会見とファンイベントでいろいろしゃべっちゃったから、ちょっと別の話をしてもいい?
――もちろんです。
【ヨン】だったら、「Vivaldi」に初めから入ってるゲーム「Vivaldia」(ビバルディア)のことを話そうかな。
――勉強不足ですみません! ブラウザーにゲームが入ってるのですか?
【ヨン】そう。Vivaldiは、8bitレトロで本格的なオリジナルゲームを搭載しているんだ。「Vivaldi」を使ってるユーザーだったら誰でも遊べるよ。
――なぜブラウザーにゲームを入れたのですか?
【ヨン】単純に楽しいし、ゲームが好きだから!
――それだけ?(笑)
【ヨン】もちろん、ゲームをきっかけに「Vivaldi」ブラウザーを知ってもらえたらいいなとか、いろいろな理由はあるけどね。だけど、一番は「楽しいから」だね。
――どのようなゲームなのでしょうか?
【ヨン】Javaで動く軽いゲームで、ドット絵の横スクロールアクション。ちょっとした息抜きに、しっかりしたゲームを遊べるからプレイしてほしいな。
――遊ばせていただきます!
【ヨン】ほかではほとんど話していない、ここだけの話なんだけれど、その「Vivaldia」の続編をいま作ってるんだ。タイトルは「Vivaldia 2」。もっと複雑で、もっと楽しめるように作ってるからお楽しみに。もう実際に動くものはできてるけど、リリースのタイミングはまだ未定。ぜひ楽しみに待っていてほしい。
――ヨンさんがゲームが好きなのが、わかった気がします。目を輝かせながら「Newスーパーマリオブラザーズ」を購入したり、ブラウザーに「Vivaldia」を初期搭載したり……。
【ヨン】好きだねぇ。今回は短い来日だったけれど、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)にも行ってきたよ。目的はもちろん「スーパー・ニンテンドー・ワールド」ね。
――感想はいかがでしたか?
【ヨン】「マリオカート ~クッパの挑戦状~」はマリオカートがテーマのシューティングゲームなんだけど、ちょっとエイムが上手くいかなかったかな。それ以外は展示物を含めて、とても楽しかった! スマホアプリを使ったアクティビティもあって、あれはみんな体験したほうがいいよ。次に来日するときも必ず行きたいね。
――次回の来日の予定は?
【ヨン】本当はすぐにでも来たいんだけど、まだ予定は決まってないな……。もしゆっくり来られることがあるなら、20年前に泊まった京都の老舗旅館にも行きたいなぁ。あ、もちろん! 大阪とか京都に行ったとしても、アキバだけは必ず寄るよ!(笑)
――ありがとうございました。