このページの本文へ

生成AIの著作権問題、ゲーム配信にも波紋

生成AIの著作権問題、ゲーム配信にも波紋

2023年07月01日 12時00分更新

文● 田口和裕

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
steam

 PCゲームプラットフォーム「Steam」を運営するValveは、生成AIによって作成されたアートアセット(キャラクター、背景、アイテム、UIデザインなどのビジュアル要素全般)の内、学習に使われたソースの権利がクリアでないものが含まれている可能性のあるゲームの販売を禁止する方向であることがわかった。

ポイントはトレーニングに使用されたデータの権利処理

 本件は元GDC事務局長、現GameDiscoverCo代表であるSimon Carless氏による6月29日のツイートをきっかけに知られるようになった。

 「ValveはAIが生成したアートアセットを使用しているにも関わらず、それを訓練するために使用した素材の権利を持っていることを開発者が証明できない場合、密かにBANしている」と記されたツイートには、実際にValveから拒否されたメールを公開しているRedditの記事へのリンクが含まれていた。

 公開されたメールによると、ValveはAIによって生成された全てのアートアセットを禁止しているわけではない。つまりAdobe Fireflyのようにモデルのトレーニングに使われたデータの権利が明確になっているものであれば認められるようだ。

 生成AIがトレーニングに使用するデータの権利処理については判例も少なく未だ不透明な状態だが、このまま急速な進歩が続けば数年後にはAIが描いたものと人間が描いたものを見分けることが技術的に不可能になるかもしれない。プラットフォーム側もしばらくの間はこのような試行錯誤が続く見通しだ。

カテゴリートップへ

ピックアップ