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OpenAI、LLMを大幅アップデート 関数呼び出しで外部ツールと連携が可能に

2023年06月14日 13時50分更新

文● 田口和裕

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 OpenAIは6月13日(現地時間)、同社が公開するLLM(大規模言語モデル)のアップデートおよび使用料の値下げを発表した。

 アップデートされたのはChatGPTにも使用されている「gpt-4」と「gpt-3.5-turbo」。それぞれ「gpt-4-0613」と「gpt-3.5-turbo-0613」として6月27日に自動的にアップデートされる。呼び出し時にモデル名を明示的に指定することによって引き続き旧APIへもアクセス可能だが9月13日には終了となる。

 また、各モデルには、より大きなテキストの理解度を高めるためにコンテキストの拡張を行ったバージョンである「gpt-4-32k」と「gpt-3.5-turbo-16k」も追加されている。

 なお、これらのモデルはOpenAIのプライバシー&セキュリティポリシーによって保護されているため、モデルから生成された出力の権利はすべてユーザーに帰属する。また、ユーザーが入力したデータはモデルのトレーニングには使用されない。

目玉は関数呼び出し機能

 今回の目玉となるのは関数呼び出し(Function calling)機能だ。

関数呼び出しの手順

 この機能を使うことで開発者は「gpt-4-0613」や「gpt-3.5-turbo-0613」に独自の関数を記述しておき、ユーザーのプロンプトからその関数を呼び出すための引数を含むJSONオブジェクトを出力することができる。

 例えば、外部ツールから現在の天気を取得する関数「get_current_weather」をモデルに記述しておき、「ボストンの天気はどうですか」という自然言語プロンプトを「get_current_weather(location: ボストン, unit: 'celsius' | 'fahrenheit') 」という関数呼び出しに変換。外部ツールから取得したデータを表示するといったことができるようになるのだ。

 他にも、自然言語をSQLクエリーに変換したり、テキストデータから構造化データを抽出するといったこともできるという。

 OpenAIのシェイン・グウ氏はこの機能について「これは実質ChatGPT PluginsのAPI版です!」とツイートしている。

 これまでも自力で外部ツールを利用することはできたが、統一された手法が用意されたことによって、より安全性が高まったという。

大幅な値下げも

 

 なお、アップデートに伴い下記のように大幅な利用料値下げも行われている。

 

・text-embedding-ada-002:0.0001ドル(75%の値下げ)
・gpt-3.5-turbo-0613:入力0.0015ドル、出力0.002ドル(25%の値下げ)
・gpt-3.5-turbo-16k:入力0.003ドル、出力0.004ドル

 新機能と値下げによりOpenAIのLLMを使用した独自アプリ開発のハードルがさらに下がったのは明らか。今後もサードパーティーによるAI関連ツールのリリースが活発に続くと思われる。

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