実際にモバイル環境で使用することを考えると
重量がかさむのが玉にキズ
最軽量のThinkPad X1 Nano(実測936g)を使っている筆者のケースでも、WING BINDER Special EditionとモバイルPC、モバイルモニター、そして接続ケーブルや時にACアダプタのすべての総重量は間違いなく2kgを超えるだろう。
しかし、それでもすべてを持ち歩いてでも、最適なモバイルPC環境をどこでも構築したい強者も中にはいるだろう。すべてをコワーキングオフィスやカフェに持ち込み、20秒以内に組み上げて30秒後にはキー入力を開始できるなら、無敵のドヤリングモデルとなるだろう。
大昔、モバイルPCの商品企画と戦略に関わっていた頃、モバイルワークにはおよそ3種類のセグメントがあると考えていた。まず①はモバイルの王道である「On The Way」、そして②は会社や自宅でデスクトップPCの代わりにモバイルPCを利用し必要なら持ち出して使う「@In House Mobile 」、③が移動した先の目的地で使う「Destination Mobile」の3つだ。
体力が低下しつつあり、多少コンサバティブな昭和生まれの筆者が考えるWING BINDER Special Edition活用のモバイルは、②か百歩譲って③かと思っている。昨今、原稿の文章だけは近所のガストで小さなポメラを使ってセコセコと打っている筆者と違って、体力も気力もある平成後期〜令和生まれのビジネスパーソンなら①もあり得るのかもしれない。
幸か不幸か昨今の筆者はOn The WayやDestination Mobile環境でパソコンワークをする必然性が低い。それゆえ、自宅ではデスクトップPCへの依存度が高い。自宅では原稿を書く時もパワポで資料を作る時もネットミーティングの時も37.5インチの曲面ワイドディスプレーと、それに接続されたコンパクトなデスクトップPCを使っている。広い画面にアプリや書式を横に広げてやることに慣れてしまっているので、自宅でWING BINDER Special Editionを使うチャンスは少なそうだ。
当然だがWING BINDER Special Editionは、大画面ディスプレーやマルチ画面ディスプレーを接続したデスクトップPCを持たないユーザー向けの商品だ。そして自宅やオフィスではモバイルPCを中心に拡張したワークスタイルを実践し時には、On The WayやDestinationにモバイルPCを持ち出して活用する、モバイルPC中心の人達にに向けたアイデア満載の便利ガジェットだ。
残念ながら現在では、WING BINDER Special Editionを含む一連のWING BINDER商品の応援購入の募集や販売活動は終了している。ユニークなアイデアで極めて有用なアイテムなので、再度の募集や一般販売にも期待したい。
今回の衝動買い
・アイテム:NECパーソナルコンピュータ「WING BINDER Special Color Edition」
・購入:machi-ya(現在は終了)
・価格:5500円
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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