目指しては失敗してきた日の丸連合
半導体業界は1988年には日本企業が50.3%のシェアを獲得していたが、現在では6%にまで大きく衰退。ここにきて巻き返しに転じようとしているところだ。
リコーの山下会長は、「共通エンジンを使って複合機の台数を増やすのが主旨ではなく、共通エンジンにより、強いエッジデバイスを作り続けることが目的である。複合機の開発を含むモノづくり機能を統合することで、国内産業の競争力強化につなげることができる」と語り、東芝テックの錦織社長は、「日本のモノづくりを元気にすることで、日本を元気にできる。そうした気持ちで、グローバルトップのソリューションパートナーを目指し、リコーとのJVを進めたい」とする。
そして、リコーの大山社長は、「これまでにも様々な業界で日の丸連合があったが、コンフリクト(競合)関係を抱えながらやってきたものはうまくいかないケースがあった。今回の共通エンジンの開発、生産は、コンフリクト(競合)はまったくなく、プラス要素しかない。このJVは、絶対に成功する」と自信をみせる。
日本のお家芸ともいえる複写機・複合機市場が、転換期を迎えるなかで、JVという新たな一手を打ち出したリコーと東芝テック。この動きが、日本の複写機・複合機市場の変革と生き残りをリードすることができるのか。
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