「ファンフェス2022-23」で探る! プロバスケットボールチーム「シーホース三河」の魅力 第1回

徹底的に地域密着! ゼロからわかる「シーホース三河」と「B.LEAGUE」の深い話

文●ASCII

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愛知県刈谷市をホームタウンとして活躍するプロバスケットボールチーム「シーホース三河」

プロバスケットボールチーム「シーホース三河」とは?

 「シーホース三河」というプロバスケットボールチームを耳にしたことはあるだろうか。

 シーホース三河は、愛知県刈谷市をホームタウンとして活躍するチームだ。三河地区の雄である徳川家康の居城が“龍城”と呼ばれたことから、“龍のように強く、勇ましく成長して欲しい”という願いのもと、シーホース(タツノオトシゴ)と名付けられている。

シーホース三河のロゴ。前身であるアイシン精機のバスケットボール部の創設が1947年と、長い歴史を誇る地元密着のチームだ

 ここ10年の成績をピックアップしてみると、JBLでは第88回全日本総合選手権の天皇杯で準優勝、NBLでは第91回全日本総合選手権の天皇杯で優勝、B.LEAGUEでは2020-21シーズンでB1 西地区3位、2021-22シーズンでB1 西地区4位、2022-23シーズンでB1 中地区5位と、優秀な成績を収めていることがわかる。

 キャプテンの柏木真介選手、シェーファー・アヴィ幸樹選手、西田優大選手など、日本代表に選出された経験を持つ選手も所属しており、選手・スタッフも強者揃い。また、チアチームとしてSuper girls(スーパーガールズ)が所属している。

 ユースチームとしてU15とU18を設け、近隣地区出身の選手を育成してもいる。将来、シーホース三河で活躍できるプロ選手を輩出することを主目的としつつも、活動の中で培った向上心・敬意・闘志を、バスケットボール界や、社会の中で発揮できる人材を育て、プロ選手のみをゴールにしていない点がユースチームの特徴だ。

ユースチームでは、常に選手が中心となり、そのまわりを包み込むようにスタッフ陣の配置や、選手がバスケットに打ち込める練習環境の提供、バスケット面の向上、人間性、社会性を養う育成プログラムを実施する。「Personal Value」、「Player Value」、「Social Value」の3つの価値を身に着け、社会に認められる人材の育成を目指す

 さらに協賛には、アイシンなど地元の優良企業が名を連ねる。つまりシーホース三河は、地域密着型のプロ集団としての要素が非常に強いプロバスケットボールチームなのだ。

その設立に歴史あり。B.LEAGUEの基礎知識をおさらい

 ここで一度、シーホース三河が所属するプロバスケットボールリーグである「B.LEAGUE(Bリーグ)」とは何かをおさらいしておこう。

B.LEAGUEとは?

 B.LEAGUEを解説するためには、一度、日本のプロバスケットボールリーグの歴史に触れる必要がある。日本のバスケットボールリーグは、長らくNBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)とbjリーグ(日本プロバスケットボールリーグ)の2つのリーグが並立する状況が続いていた。国際バスケットボール連盟(FIBA)からは、トップリーグを統一するように通告されていたが、改革はなかなか進まない。

 やがて、FIBAは日本バスケットボール協会(JBA)へ、全ての日本代表チームの国際試合の出場資格の停止を告げ、日本代表選手は、国際試合への出場ができないという状態にまで陥ってしまった。野球やサッカーの国際試合のシーズンになると、必ず大きな話題になるのに対し、日本では、バスケットボールの国際試合で盛り上がる機会が少ないと感じたことのある人はいないだろうか。その背景のひとつには、確実にこの問題が関わっていたと言えるだろう。

 こうした状況が続く中、Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏がチェアマンを務め、2015年にジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL)、通称B.LEAGUE(Bリーグ)を設立。日本代表選手は、国際試合の出場権も取り戻した。

 JリーグのJ1・J2などと同じく、B.LEAGUEも最上位のB1、続くB2とリーグが階層構造になっている。B1は全24クラブで、ホームアリーナの所在地を基準に、東地区、中地区、西地区の3地区に分かれ、これをベースに試合が行われる。なお、シーホース三河はB1だ。

地区 B1リーグ所属クラブ 都道府県
東地区 レバンガ北海道 北海道
仙台89ERS 宮城県
秋田ノーザンハピネッツ 秋田県
茨城ロボッツ 茨城県
宇都宮ブレックス 栃木県
群馬クレインサンダーズ 群馬県
千葉ジェッツ 千葉県
アルバルク東京 東京都
中地区 サンロッカーズ渋谷 東京都
川崎ブレイブサンダース 神奈川県
横浜ビー・コルセアーズ 神奈川県
新潟アルビレックスBB 新潟県
富山グラウジーズ 富山県
信州ブレイブウォリアーズ 長野県
三遠ネオフェニックス 愛知県
シーホース三河 愛知県
西地区 ファイティングイーグルス名古屋 愛知県
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 愛知県
滋賀レイクス 滋賀県
京都ハンナリーズ 京都府
大阪エヴェッサ 大阪府
島根スサノオマジック 島根県
広島ドラゴンフライズ 広島県
琉球ゴールデンキングス 沖縄県

 B2リーグは東地区と西地区の2つで、各7クラブの合計14クラブとなる。

地区 B2リーグ所属クラブ 都道府県
東地区 青森ワッツ 青森県
山形ワイヴァンズ 山形県
福島ファイヤーボンズ 福島県
越谷アルファーズ 埼玉県
アルティーリ千葉 千葉県
アースフレンズ東京Z 東京都
西宮ストークス 兵庫県
西地区 バンビシャス奈良 奈良県
香川ファイブアローズ 香川県
愛媛オレンジバイキングス 愛媛県
ライジングゼファー福岡 福岡県
佐賀バルーナーズ 佐賀県
長崎ヴェルカ 長崎県
熊本ヴォルターズ 熊本県

 2022-23シーズンは、8月下旬にプレシーズンゲームが始まり、9月下旬から翌年の4月までがレギュラーシーズン。5月にB1のチャンピオンシップが行われ、各地区の上位2チームと、各地区の3位以下のうち上位2チームから選出。B2の優勝チームは、各地区の1位チームと、各地区の“1位以外で”最上位のチームとのプレーオフで決定する仕組みだ。

 ここ3年は、2019-20シーズンが新型コロナウイルス感染症の影響で惜しくも中止となり、2020-21シーズンは「千葉ジェッツ」、2021-22シーズンは「宇都宮ブレックス」が優勝している。

プロバスケットボールチームであり、地域密着型のプロ集団

 2022-23シーズンでの優勝を目指すシーホース三河。その前身は、実はアイシン精機(現:アイシン)のバスケットボール部だ。設立以降、アイシン精機シーホース、アイシン精機アイシンシーホース、アイシンシーホース、アイシンシーホース三河と何度か名称を変え、現在の「シーホース三河」は2016年からのチーム名。アイシン精機のバスケットボール部だった時代も含めると、1947年発足となる歴史の長いチームで、同地区に住んでいる人なら、友人や知人、同級生や親族などが、何らかの形で関わっていたという人もいるのではないだろうか。

 歴史を振り返れば、シーホース三河が地域密着型のチームとしての強い側面を持っているのも頷ける話。ただし、それだけにとどまらず、地域の他の業種との共同のプロジェクトを実施したり地元企業とパートナーシップを組んでいたりするほか、選手が小中学校を訪問する活動を取り入れていたりと、積極的に、多方面から地域に根ざした活動を続けているのも、地域で愛され、貢献するチームとして欠かせない要素である。

シーホース三河は、ホームももちろん地域に根ざした場所に位置している。刈谷市総合運動公園内にある「ウィングアリーナ刈谷」だ

ファンフェス2022-23開催! 次回レポートもお楽しみに!

 さて、ここまで読んでくれた読者の方は、シーホース三河に興味が湧いてきたはず! シーホース三河では、5月20日にファンフェス2022-23として、所属選手やチアチームのSuper girls、公式マスコットのシーホースくん、所属タレントのタツヲが出演するファン向けイベントを実施した。

 バスケットらしく、Q1〜Q4に区切り、「チーム対抗!アンケート対決」や「MPB(三河ポージングバトル)」といったプログラムが実施された。試合に挑む真剣な表情の選手たちとはひと味違った選手たちの一面に、ファンたちは大きく盛り上がった様子だ。

 なお本連載の第2回、3回ではファンフェス2022-23の模様を、インタビューも交えて詳しくレポートしているだ。本稿を読んでシーホース三河に興味を持った読者は、ぜひ一読して欲しい!

 

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(提供:シーホース三河)