WQHD&4Kゲーミングデビューに最適
RTX 4070 Ti最安のPalit「GeForce RTX 4070 Ti GamingPro 12GB」を触ってみた
2023年05月03日 10時00分更新
重量級ゲーム3タイトルでチェック
最後は、画質・レイトレーシングともに最高品質に設定すると、そこそこ重たい「F1 22」と、アップスケーリング技術のNVIDIA DLSSの活用がマストな「Cyberpunk 2077」、「Hogwarts Legacy」で確認していこう。
まずはカーレーシングゲームタイトルの「F1 22」だ。画質はレイトレーシングが有効になる「超高」、異方性フィルタリング「×16」、アンチエイリアス「TAAとFidelityFXのシャープニング」に設定したほか、DLSS 3(フレーム生成)をバランス品質で効かせた状態でみていこう。フレームレートの計測は、ゲーム内ベンチマークをコース:「モナコ」、天候タイプ:「ウェット」で実行し、平均(avg)と最小フレームレート(min)をまとめた。
WQHD解像度なら60fpsを余裕で超えており、ネイティブレンダリングでの快適なプレイも狙える。そのうえ、DLSS 3(フレーム生成)を使うことで、ゲーミング液晶との組み合わせた144Hz/165Hz張り付きプレイを楽しむこともできる。
次は「Cyberpunk 2077」だ。画質は「レイトレーシング:ウルトラ」を選択し、アップスケーリング技術は「DLSS 3(フレーム生成) バランス」に設定した。ゲーム内の一定ルートを移動した際のフレームレートを、「CapFrameX」で記録し、平均(avg)と、1パーセンタイル点(min 1%)をまとめている。
DLSS 3(フレーム生成)により、重量級の「Cyberpunk 2077」も快適にWQHDゲーミングを楽しめるフレームレートになっている。144Hz駆動の滑らかな描画でのプレイを狙って、画質やレイトレーシングの品質を下げるなど、RTX 4070 Ti GamingPro 12GBはプレイスタイルにあわせてゲームを楽しめる。
パフォーマンスチェックの締めくくりは、最高の画質設定だとネイティブレンダリングでのプレイがやや厳しい「Hogwarts Legacy」だ。画質とレイトレーシングともに「最高」、さらにDLSS 3(フレーム生成)はバランス品質に設定した。フレームレートの計測はホグワーツ城 中庭で行ない、一定ルートを移動した際を、「CapFrameX」で記録し、平均(avg)と、1パーセンタイル点(min 1%)をまとめている。
WQHD解像度の平均フレームレートは、余裕のある144.7fpsになっているが、コケの生えた城壁や床に、刈り込まれた生垣、遠方の山など、描画負荷が高い中庭を移動しているため、1パーセンタイル点は落ち込みが激しい。とは言え、WQHD解像度なら80fps台なので、ハリポタの世界観を満喫できる。
RTX 4070 Ti GamingPro 12GBで改めて、GeForce RTX 4070 Tiのパフォーマンスを確認してきたが、キレイな表示でゲームの世界を楽しめるWQHDと4K解像度でのゲーミングに、144~240Hzでの高リフレッシュレートプレイなど、さまざまなプレイスタイルに応えてくれる。
最安クラスでもGPUを静かかつ強力に冷却
ゲーミング中のGPUブーストクロックは基板の品質などで多少変わるが、RTX 4070 Ti GamingPro 12GBは、2800MHz台まで伸びている。ファクトリーオーバークロックモデルには、わずかに譲るが十分高いクロックだ。
そんな高クロックの維持には、高い冷却性能が必要になる。ここからは、ビデオカードに影響することもあるGPUクーラーの冷却性能と、3連ファンの動作音を確認していこう。
まずは基本のファン騒音値をチェックしてみた。RTX 4070 Ti GamingPro 12GBは中央のファン(FAN1)と、左右の2基のファン(FAN2)を個別に制御できる。デフォルトのファン動作モードはセミファンレス動作で、GPUコア温度が60度を超えると、ファンは回転率30%で動作する。
ファンが停止しているアイドル状態と30~100%まで10%刻みで騒音値を計測してみた。計測はRTX 4070 Ti GamingPro 12GBのサイド部から、30cm離れた位置で行なった。
バラック状態なので、回転率が50%を超えると多少風切り音が気になる40dBA近くになるが、PCケースに収めてしまえば問題ない範囲だろう。さすがに43.1BAに達する60%を超えてくると、PCケース次第では耳につくようになるだろうが、ここまでのゲーミングパフォーマンスチェック中に、気になることはなかった。
DirectX 12 Ultimateに対応するテストで、レイトレーシングやメッシュシェーダーなどを利用した重量級テストの「3DMark」「Speed Way Stress Test」を実行(20分程度)し、GPUコアの温度などをチェックしてみた。
「HWiNFO64 Pro」を使って、ストレステスト実行中のGPUコア温度などを記録すると、「GPU Temperature」は最大でも65.3度に抑え込まれていた。GPU Thermal Limitは84度なので、19度も余裕を残している。そして、この温度に抑えながら、ファン回転率は最大36%(1350rpm)と低速で回転しており、当然、騒音値も37dBA程度と静かだった。
また、GPU温度が60度を超え、GPUクーラーのファン回転率が30%まで一気に上昇する際も、とくに耳障りな音を発するようなことはなかった。コストを抑えた製品だと、気になることもあるので、意外と大事なポイントだ。
「GPU Hot Spot Temperature」も75.7度に抑えられ、GDDR6Xメモリー「GPU Memory Junction Temperature 」も70度と、こちらも不安のない温度になっている。
バラックでの結果だが、RTX 4070 Ti GamingPro 12GBは標準的な吸排気のエアフローを備えるPCケースで、熱の不安や動作音を気にすることはないだろう。
安心して推せる最安クラスの
「GeForce RTX 4070 Ti GamingPro 12GB」
さまざまなプレイスタイルでゲームを楽しめるパフォーマンスに、静かにGPUコアとGDDR6Xメモリーを冷やす3連ファンGPUクーラー、シンプルだがカードを彩るLEDギミックを備え、12万4800円というGeForce RTX 4070 Ti最安クラスの「GeForce RTX 4070 Ti GamingPro 12GB」は、買いと言える。