2023年2月28日、ファイターズ スポーツ&エンターテイメントが、住信SBIネット銀行と提携し、銀行機能を活用した新しいサービス「F NEOBANK(エフネオバンク)」を発表した。預金、決済などの一般的な銀行機能に加え、北海道日本ハムファイターズのファンに向けたさまざまなサービスを展開。国内プロスポーツ団体では初となるネット銀行サービスを紹介する。
球団公式アプリとの連携でスムーズに決済ができる
「F NEOBANK」は、預金や決済、ローンなど銀行の基本的な機能に加え、「ファイターズのファン」に向けたさまざまなサービスを備えているのが大きな特徴だ。例えば、「F ビレッジPAY」との連携機能が挙げられる。
「F ビレッジPAY」は、北海道ボールパークFビレッジ公式アプリ(以下「Fビレッジアプリ」)で使える球団オリジナルのキャッシュレス決済サービス。キャッシュレス決済の支払い方法として「F NEOBANK」を登録すると、口座残高からの引き落としという形でキャッシュレス決済ができる。
単にキャッシュレス決済ができるというだけでなく、球場内や対象店舗での利用で得られるFマイル(Fビレッジ内で使えるクーポンへ交換やチケット、限定グッズへの交換が可能なポイント)の付与率が1%アップ。また、球場の外での買い物でも、スマホデビット機能を使うことでFマイルが1%付与される仕組みだ。
「F NEOBANK」には、ほかにも順位によって最大5万円がキャッシュバックされる「順位連動型円定期預金」や、同じく順位次第でキャッシュバック金額が変わる「順位連動型住宅ローン特典」も用意されている。
日常の中でもファイターズを感じてもらいたい
「F NEOBANK」誕生の背景には、「ファンの日常にどうファイターズとして向き合えるか」というテーマがある。毎試合本拠地に通うという熱心なファンでも、球場に来る日は1年で80日ほどしかない。それ以外の日常シーンでも「ファイターズを応援する楽しみを感じてもらえたら」ということで、ファイターズファンに向けたさまざまな銀行サービスを展開する「F NEOBANK」が誕生した。
まだスタートして間もないが、本事業を統括するファイターズ スポーツ&エンターテイメントの正田直也氏によると「Fビレッジ公式アプリのダウンロード数、F NEOBANKの口座開設数共に当初の想定以上のスピードで進んでおり、ファンの皆様の期待を感じている」という。また、スマートフォンの操作が苦手なファンからも使いたいから操作方法を教えてほしいという問い合わせがあるなど、新しいチャレンジに対し、長年のファンからの期待も大きい。
今回の目玉である「F ビレッジPAY」との連携機能については、「球場で実際に利用したファンからは、会計が早くて便利という評価を得ている」とのこと。しかし、登録の手間がかかる、操作方法が分からないという声もあり、球場内でのインフォメーションや利用方法のアナウンスやサポートを手厚くし、ユーザビリティーの向上を進めている。
地域に貢献できるプラットフォームへの成長を目指す
今後の展開について正田氏は、「Fビレッジでの決済といえばF NEOBANKと思っていただけるよう、サービス改善を進めると共に、Fビレッジ内だけでなく、周辺地域も含めた街づくりにも貢献していきたい」と話す。ファイターズでは新しい観戦体験を生み出すサービスの提供を進めているが、野球だけにとどまらない展開、発展がその先にある。地域に貢献できるプラットフォームとして、「F NEOBANK」をどのように成長させるのかも大事なミッションだといえる。
「F NEOBANK」が大きな成果を挙げれば、例えば同じパ・リーグ他球団が同様の試みに挑戦する可能性もあるだろう。これからの野球界を切り開く魅力的な取り組みとなるか、「F NEOBANK」の今後に注目したい。