KDDIとエコモットは3月29日、リモートで建設現場などの検査ができる遠隔臨場システム「Gリポート」と、Starlinkサービスを法人向けに提供する「STARLINK BUSINESS」を組み合わせたソリューションを提供開始した。
建設工事では人口減少などによる労働力不足や、現場の作業員と遠隔にいる管理者とのコミュニケーションの課題、現地へ行くまでの移動時間や移動費のコストの問題など業務の効率化が求められているが、IoTなどのシステム化が必要とされる一方、山間部やトンネルの奥深くなど、へき地の建設現場は電波が届かない場所が多く、通信手段の確保が課題となっている。
Gリポートは、エコモットが提供する遠隔臨場に特化したモバイルコミュニケーションツール。対象にフォーカスして検査することに適したハンディー型基本パッケージに加えて、両手が自由に使えるウェアラブルカメラ (オプション) の利用により、1台のデバイスで2つの撮影スタイルに対応することが可能。国土交通省「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」に準拠。
StarlinkはスペースXによる世界中に高速・低遅延の衛星ブロードバンドインターネット。従来の静止軌道衛星に比べて地表からの距離が65分の1程度と大きく近づくため、大幅な低遅延と高速伝送を実現している。KDDIのSTARLINK BUSINESSは、法人企業や自治体向けにStarlinkの高性能なネットワークを提供するサービス。
本ソリューションは、山間部やトンネル坑口付近など電波が届かない建設現場などにおいて、Starlinkが提供するインターネットサービスによりGリポートの利用が可能となる。Gリポートは、離れた場所でも現場にいるかのようなクリアな音声とスムーズな映像を提供するため、現場の作業員との円滑なコミュニケーションが可能となり、建設現場の生産性向上を実現するとしている。