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NVIDIA、ASML、TSMC、Synopsys が次世代チップ製造の基盤を構築

NVIDIA
2023年03月22日

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NVIDIA
半導体業界が物理学的限界に向かう中、業界のリーダーたちがコンピュテーショナル リソグラフィにおける NVIDIA のブレイクスルーを採用





カリフォルニア州サンタクララ — GTC — 2023 年 3 月 21 日 — NVIDIA は本日、コンピュテーショナル リソグラフィの分野にアクセラレーテッド コンピューティングをもたらすブレイクスルーを発表しました。これは現在、製造プロセスが物理学的限界へと近づく中、ASML、TSMC、Synopsys ( https://blogs.synopsys.com/from-silicon-to-software/2023/03/21/nvidia-computational-lithography/ ) などの半導体リーダーが次世代チップの設計と製造を加速できるようにするものです。

コンピューター リソグラフィ用の新しい NVIDIA cuLitho ソフトウェア ライブラリは、世界をリードするファウンドリである TSMC と、電子設計自動化のリーダーである Synopsys によって、最新世代の NVIDIA Hopper™ アーキテクチャ GPU 向けのソフトウェア、製造プロセス、およびシステムに統合されています。装置メーカーの ASML は、GPU と cuLitho で NVIDIA と緊密に連携しており、GPU のサポートをすべてのコンピュテーショナル リソグラフィ ソフトウェア製品に統合する予定です。

この進歩により、現在達成可能なものよりも微細なトランジスタとワイヤを備えたチップが可能になり、市場投入までの時間が短縮され、製造プロセスを推進するために年中無休で稼働する大規模なデータ センターのエネルギー効率も向上します。

NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は次のように述べています。「チップ産業は、世界中のほぼすべての産業の基盤です。物理学の限界にあるリソグラフィにおいて、NVIDIA が cuLitho を導入し、パートナーである TSMC、ASML、Synopsys とのコラボレーションにより、ファブはスループットを向上させ、二酸化炭素排出量を削減し、2nm 以降の基盤を構築することができます」

GPU 上で動作する cuLitho は、シリコン ウエハー上にパターンを作成するプロセスであるリソグラフィにて、現在より最大 40 倍のパフォーマンスの飛躍を実現し、現在毎年数百億 CPU 時間を消費している大規模なコンピュテーショナル ワークロードを加速します。

これにより、500 台の NVIDIA DGX H100 システムで 4万台 の CPU システムの作業を達成し、コンピュテーショナル リソグラフィ プロセスのすべての部分を並行に実行可能となり、必要な電力と潜在的な環境への影響を削減できます。

短期的には、cuLitho を使用するファブは、現在の構成の 9 分の 1 の電力で、毎日 3 ~ 5 倍多くのフォトマスク (チップ設計のテンプレート) を生産するのに役立つ可能性があります。これまで 2 週間かかっていたフォトマスクが、一晩で処理可能になるでしょう。

一方、長期的には、cuLitho はより優れたデザイン ルール、高密度、高歩留まり、AI を活用したリソグラフィを可能にします。

業界リーダーからのサポート
NVIDIA は主要なパートナーと協力して、これらの新しいテクノロジの迅速な採用をスムーズに進めています。

TSMC の CEO、C.C. Wei 氏は次のように述べています。「cuLitho チームは、高価な演算を GPU に移行することで、コンピュテーショナル リソグラフィの高速化において見事な進歩を遂げました。この開発は、TSMC が逆リソグラフィ技術やディープラーニングなどのリソグラフィ ソリューションをチップ製造により広く展開する新しい可能性を切り開き、半導体スケーリングの継続に重要な貢献をするでしょう」

ASML の CEO、Peter Wennink 氏は次のように述べています。「私たちは GPU のサポートをすべてのコンピュテーショナル リソグラフィ ソフトウェア製品に統合することを計画しています。GPU および cuLitho に関する NVIDIA とのコラボレーションは、コンピュテーショナル リソグラフィ、ひいては半導体スケーリングに多大な利益をもたらすでしょう。これは、高 NA 極端紫外線 (EUV) リソグラフィの時代に特に顕著になるでしょう」

Synopsys の会長兼 CEO である Aart de Geus 氏は次のように語っています。「コンピュテーショナル リソグラフィ、特に光近接効果補正 (OPC) は、最先端のチップの計算ワークロードの限界を押し広げています。パートナーである NVIDIA と協力し、cuLitho プラットフォームで Synopsys OPC ソフトウェアを実行することで、数週間から数日にパフォーマンスを大幅に加速することができました。業界をリードする 2 社の企業の提携は、業界に驚くべき進歩をもたらし続けています」

半導体スケーリングの実現
近年、半導体製造における最大のワークロードに必要な計算時間のコストは、新しいノードのトランジスタ数の増加とより厳しい精度要件の両方により、ムーアの法則を上回っています。将来のノードでは、より詳細な計算が必要になりますが、そのすべてが現在のプラットフォームによって提供される利用可能な計算帯域幅で実現できるわけではなく、半導体のイノベーションのペースが遅くなります。ファブのプロセス変更には OPC の改訂が必要になることが多く、ボトルネックが生じます。cuLitho は、これらのボトルネックの解消に役立つだけでなく、新しいテクノロジ ノードに必要な曲線マスク、高 NA EUV リソグラフィ、サブアトミック フォトレジスト モデリングなどの新しいソリューションと革新的な技術を可能にします。

詳細については、フアンによる GTC 2023 基調講演 ( https://www.nvidia.com/ja-jp/gtc/?ncid=em-even-559985 ) を視聴し、NVIDIA cuLitho アーキテクトの Vivek K. Singh が発表するカンファレンス セッション「Accelerating Computational Lithography ( https://www.nvidia.com/gtc/session-catalog/?search=vivek%20singh&tab.catalogallsessionstab=16566177511100015Kus&search=vivek+singh#/session/1675810662318001QgL7 ) 」に参加してください。GTC への登録 ( https://www.nvidia.com/ja-jp/gtc/?ncid=em-even-559985 ) は無料です。

NVIDIA について
1993 年の設立以来、NVIDIA (NASDAQ: NVDA) はアクセラレーテッド コンピューティングのパイオニアです。同社が 1999 年に発明した GPU は、PC ゲーム市場の成長を促進し、コンピューター グラフィックスを再定義して、現代の AI の時代に火をつけながら、メタバースの創造を後押ししています。NVIDIA は現在、業界を再形成しているデータセンター規模の製品を提供するフルスタック コンピューティング企業です。詳細については、https://nvidianews.nvidia.com/ を参照してください。

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