名古屋大学の研究チームは、厚さ0.9ナノメートルのアモルファス・シリカ・ナノシートの合成に成功した。アモルファス・シリカ・ナノシートは、機械的特性に優れ、広いバンドギャップを持つことから、次世代の電子部品やエネルギー分野での応用が期待されている。絶縁膜やフィラー、プロトン伝導体としてさまざまな分野で利用されている素材であることから、今回の成果によって新たな活用が考えられるという。
名古屋大学の研究チームは、厚さ0.9ナノメートルのアモルファス・シリカ・ナノシートの合成に成功した。アモルファス・シリカ・ナノシートは、機械的特性に優れ、広いバンドギャップを持つことから、次世代の電子部品やエネルギー分野での応用が期待されている。絶縁膜やフィラー、プロトン伝導体としてさまざまな分野で利用されている素材であることから、今回の成果によって新たな活用が考えられるという。 これまでも、極薄のアモルファス・シリカ・ナノシートを合成する研究はあったが、アモルファス・シリカが非層状物質であるため、層状化合物を剥離していくという一般的な手法では合成できなかった。界面活性剤の液晶を鋳型としてアモルファス・シリカ・ナノシートの合成を試みた例もあったが、剥離が十分に進行しないため、厚いものしか合成できていない。 研究チームは今回、固体の界面活性剤を溶かさずに層状の固体のまま利用する手法を選んだ。層状の固体のすき間にアモルファス・シリカを析出させてから剥離してシートを得る方法だ。この手法で合成したアモルファス・シリカは単層で剥離でき、その厚さを原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)で測定したところ、0.9ナノメートルだった。 研究成果は2月28日、スモール(Small)誌に掲載された。(笹田)