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腕時計ライター推薦「いま欲しい」機械式腕時計3選

40〜60万円で狙う「機能性重視」のスタイリッシュ・メカニカル

2023年03月11日 12時00分更新

文● 川口哲郎 編集●飯島恵里子/ASCII

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ノモス グラスヒュッテ/クラブスポーツ ネオマティック ペトロール(Ref.746)46万2000円

 2023年の幕開けからすでに3月——この事実を意識して「時間が経つのは早い!」と焦りを覚える人もいるだろう。そんな人は今年こそ「時間」との向き合い方を見つめ直し、このウサギ年をさらなる跳躍、飛躍の年にしてほしい。

 新たな1年を彩り豊かにするために、メンテナンスを怠らなければ末長く使える機械式、それも一般に入門クラスとされる10〜30万円より「やや上の40〜60万円」の機種をオススメしたい。 この価格帯には数々の実績を誇る一流ブランドが、多様な機能性にフォーカスした結果、ポテンシャルを備えた実力派が数多く潜んでいるからだ。そこで今回は、毎日ヘビーローテーションで使ってもサマになる注目すべき機種を厳選して紹介する。


ノモス グラスヒュッテ/クラブスポーツ ネオマティック ペトロール(Ref.746)46万2000円

腕時計の「本質」だけを残した潔くも使いやすい3針モデル
ノモス グラスヒュッテ/クラブスポーツ ネオマティック ペトロール

 ノモス グラスヒュッテは名称が表す通りドイツ・ザクセン州の町、グラスヒュッテに拠点を置く時計ブランドで、ドイツをはじめとする欧州各国や、日本でも時計に少しでも興味がある人なら一般的に「ノモス」だけで通じる。それだけ幅広く支持され、認知されているのだ。その訳は「ドイツ工業製品の魅力ここに極まれり」といった高度な機能性と、簡潔にしてスタイリッシュなデザインの融合、そしてそれを良心的な価格で提供していることである。

サファイアクリスタルのケースバックから、完全自社製による超薄型Cal.DUW 3001の姿を楽しむことができる

 同社は1990年に前身となる旧東ドイツ時代のブランドを再興するかたちで始まり、ドイツ時計の中枢といわれるグラスヒュッテで目覚ましい発展を遂げた。2005年からは一流ブランドであることの指標となる自社製ムーブメントの開発に着手し、2014年にはもっとも難易度の高い、調速機構の要となるエスケープメント(脱進機)の開発にも成功。直後にはその「ノモス・スウィングシステム」を搭載した厚さわずか3.2㎜の自動巻きムーブメントDUW 3001を完成させ、主要なラインアップに順次採用した。

 そのひとつが、カジュアルなデザイン性が際立つラウンドモデルのクラブコレクションだ。「クラブ スポーツ」は2018年から展開しているバリエーションで、同社で初となる堅牢なスチール製ブレスレットを採用し、防水性能も水泳などが可能なレベルを担保。スポーツシーンでも役立つ機能性やタフネスが身上となっている。

 クラブ スポーツの最新作となるのが、従来のモデルより5㎜小ぶりな37㎜径のケースを採用した「ネオマティック ペトロール」。小型化に際しデイト表示を排したダイヤルはよりシンプルで一瞬の視認性に優れ、37㎜径のケースは薄型ムーブメントによって実現した8.4㎜という薄さと相まって絶妙なフィット感をもたらす。

インデックスや指針には暗い場所で煌々と発光するスーパールミノバを採用

 いい意味で装飾性には乏しく一見ごく普通の3針モデルのようにも見えるが、その実外装から内部機構に至るまで、あらゆるディテールにドイツ時計の真髄である「使い勝手のよさ」を極限まで追求するクラフツマンシップがあふれており、これは日本でいうところの、いわゆる「用の美」。

 実用品の本当の意味での美しさは、その奥に息づく技術や知見がものをいう。

ノモス グラスヒュッテ/クラブスポーツ ネオマティック ペトロール
Ref.746
46万2000円

●主な仕様
駆動方式:自動巻き(連続駆動時間約43時間)
ケース径:37mm
ケース厚:8.4mm
ケース素材:スレンレススチール
ブレスレット素材:ステンレススチール
風防素材:サファイアクリスタル(内面無反射コーティング)
防水性能:20気圧防水

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