春からの新生活、引っ越し先でも快適なインターネット生活を楽しむために

新生活でもv6プラス! 自宅インターネット回線選びのポイントを教えます

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 就職、進学など、春と言えば新生活スタートの季節。新居への引っ越しを予定されている方も多いのではないでしょうか。

 引っ越しの際に悩ましいことのひとつが「自宅のインターネット回線選び」です。電気やガス、水道などとは違い、多くの場合インターネット回線(インターネットへの接続サービス)は自分で選び、契約しなければなりません。しかし、世の中にはインターネット接続サービスを提供する会社(インターネットサービスプロバイダー、以下「ISP」と略)がたくさんあり、「どれを選べばいいの?」と悩みがちです。

 これまでASCII.jpでは、自宅のインターネット回線選びについてわかりやすくお伝えする連載記事やYouTube動画を掲載してきました。今回の記事ではこれらの内容からポイントをまとめて、新生活を始める皆さんの参考になるアドバイスができればと思います。より詳しい解説は、リンク先の記事や動画を参照してください(本文中にもより詳しい解説記事へのリンクを張ってあります)。

引っ越し先でも快適にインターネットを利用するためには?

 自宅のインターネット回線を選ぶ上で、最も重視するポイントは「通信スピード」でしょう。最近ではネット経由で映画やドラマ、アニメなどの動画コンテンツを見たり、オンラインゲームでリアルタイム対戦を楽しんだり、友人とのビデオ通話や在宅勤務のWeb会議などをしたりする機会も増えました。インターネットのスピードが遅いと、こうしたサービスやコンテンツを快適に利用することができません。

 インターネット回線のスピードは、回線の種類時間帯によって異なりますが、最も高速かつ安定して通信できるのは光ファイバーを利用する光回線です。

 NTT東西の光回線サービス「フレッツ光」の場合、フレッツ光の契約に加えて、ISPとの契約が必要になります。ただし最近では、ISPとだけ契約すればよい「光コラボレーション(光コラボ)」が主流になっているため、手続きはシンプルです※1

※1:マンションなどでは、インターネット回線があらかじめ用意されている場合もあります。

 「どのISPの、どのプランを選べば良いのか」についてはさまざまな意見がありますが、ネット上では「『v6プラス』に対応したプランであれば安定して高速なインターネットが使える!」といった声がよく見られます。

 ここからは、高速で安定していると言われているv6プラスがどんなサービスなのか、ご紹介します。

回線選びのキーワード「v6プラス」とは?

 インターネット回線では、「IPv6」と「IPv4」という2種類の通信プロトコルが使われています。「v」はバージョン番号を意味しており、IPv6のほうが新しい仕様です。

 通信事業者は、新たにネットワークを構築、増強する際にはIPv6を使うので、IPv6のほうが事実上、高速かつ快適なネットワーク環境になってきています。※2

※2:IPv6の登場背景や今後の方向性を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。

 ただし、世の中にはまだIPv4にしか対応していないコンテンツも多くあります。では皆さんがゲームなどで快適にインターネットを使いたい場合、自宅に「IPv6」と「IPv4」の2本のインターネット回線を引かなければならないのでしょうか?

 もちろんそんなことはありません。高速で安定したIPv6のインターネット回線でIPv4も使える“IPv4 over IPv6”という技術があります。

 このIPv4 over IPv6を実現する方法の1つが、JPIXが提供する「v6プラス」です。

v6プラスのイメージ

「v6プラス」はIPoE方式だから安定して高速なインターネットが使える

 v6プラスが「安定して高速なインターネットが使える」と言われる理由の1つが、「IPoE方式」を採用していることです。

 フレッツ光のインターネット接続方式には、大きく「IPoE方式」と「PPPoE方式」の2種類があります。かつてはPPPoE方式しかありませんでしたが、多くのユーザーが利用する夜間などに混雑しがちでした。

同じ光回線を使っていても、PPPoE方式の場合はISPとの接続ポイントで混雑が起こりやすい

 一方で、後から登場したIPoE方式では、インターネットとの接続ポイントの仕組みがPPPoE方式と異なっており、ユーザー数の増加に合わせて接続ポイントも増強しやすい(接続する回線を“太く”しやすい)ため、夜間でも混雑しにくく、安定して高速なインターネットが利用できます。

 こうした理由から、IPoE方式のv6プラスは安定して高速なインターネットが使えると評価されています。またIPoE方式の場合、PPPoE方式のようにルーターの設定作業(ID/パスワード設定など)が不要であり、簡単にインターネットが開通する点もメリットです。

多くのルーターが「v6プラス」に対応している

 JPIXはv6プラスを一般ユーザに提供していないため、v6プラスを使うにはさまざまなISPが提供するv6プラスサービスに申し込む必要があります(最初からプランに含まれていたり、オプションとして提供されていたりします)。

 このとき自宅のブロードバンドルーター、もしくはひかり電話対応ルーターがv6プラスに対応している必要がありますが、国内で現在販売されているルーターの多くはv6プラス対応となっています※3。また、ISPによってはv6プラスを契約すると対応ルーターを無償提供をしてくれることもあります。

※3:v6プラス対応確認済みのブロードバンドルーター一覧(JPIX)

引っ越し予定日が決まったら早めに申し込もう

 新居に引っ越したらすぐにインターネットを楽しみたいところですが、新規契約の場合、通常は申し込みから開通までに2週間~2カ月ほどかかります。特に、引っ越しシーズンには工事の予定が混み合って待ち時間が長くなりがちですので、引っ越し予定日が決まったらできるだけ早く申し込みをするのがおすすめです。

* * *

 今回は春の新生活シーズンに合わせて、引っ越しをする際のインターネット回線選びのポイントをお伝えしました。何より大切なのは、皆さんが思い描く理想の新生活を送ること。引っ越し準備やさまざまな手続きもあって忙しいとは思いますが、インターネットの手配もどうぞお忘れなく。

(提供:JPIX)

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