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セブン-イレブンのカレーフェスから登場:

セブンの「荻窪トマト監修カレー」に810円の価値はあるか

2023年03月02日 17時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「荻窪トマト監修 スパイスビーフカレー」
セブン-イレブン
2月27日発売
810円
https://www.sej.co.jp/products/a/item/042891/

あの名店がセブン-イレブンに登場

 アスキー編集部はカレーが好きな人たちが多く、ご多分に漏れず、筆者もカレーが好物。関東のさまざまなカレー店を食べ歩いています。

 もう20年近く前になりますか、今もなお行列のできる人気店「荻窪トマト」を初めて訪れたときは、驚きました。ここのカレー、なかなかの値段だな……と。困惑しながら注文し、運ばれてきたカレーを食べて、また驚くわけです。価格に見合う味というものが確かにあるのだなと。

 さて、セブン-イレブンでは有名店が監修したカレーが勢ぞろいする「カレーフェス」がスタートしています。その中に、荻窪トマトが監修した商品がありました。その名も「荻窪トマト監修 スパイスビーフカレー」。810円。

見た目としては、セブン-イレブンの弁当感が満載ですね

 デミグラスソースで煮込むことで、深みのある味わいに仕上げた牛バラ肉。香味野菜と牛肉の旨味が凝縮した、味わい深いカレーソース。さわやかな香りがはじける34種類のスパイス。食べた人を元気にしたいというシェフの想いも詰まったこだわりの一皿……だそうです。

 店主の小美濃清さんによれば、「野菜がふんだんに溶けこんだルウ、ドミグラスソースで煮込んだ肉、そして34種類のスパイス。噛んだ瞬間のはじけるような香りをお楽しみください!」とのこと。

なんともかわいい荻窪トマトのロゴ

確かにスパイスがたくさん入っております

見た目はシンプルな“欧風カレー”といったところ

コンビニとは思えぬ深みのある味わい

 このカレーですが、やはり気になる点は、税込810円という価格でしょう。コンビニの弁当にしては高い部類。それに見合うだけの価値があるか、どうか。

デミグラスソースのコク、スパイスの刺激

 結論から言えば、「ある」と思います。やはり、よくできています。特に、カレーソースはすごい。デミグラスソースとトマトのコク、甘味がありながら、しっかりスパイスの刺激もある。辛口でないのにスパイスが香る、奥行きのある感じ。複雑で濃厚な味のレイヤーを楽しめます。

 形をつぶしていないスパイスと、複数種類の粉末スパイスを加えているところがポイントでしょう。とても辛いわけではないのにスパイスを強く感じるし、かといってトマトやタマネギの甘みを消しているわけでもない。このあたりの塩梅が、うまいのです。

 ビーフも、おいしいのですよね。ちゃんとした味が付いていて、サイズも大きめ。カレーソースの味に負けない存在感があります。このあたりも、コンビニの弁当にしてはよくできている。

ビーフも大きめですね

 荻窪トマトのカレーそのもの……というわけではないですが、味の方向性、カレーとしての完成度はしっかりしています。荻窪トマトが監修したのだな、という説得力があります。

 スパイスの香りと肉の旨味がきちんと味わえて、具材のビーフもカレーソースに埋没していない、深みのあるカレーです。味に関しては、かなり満足感があります。少なくとも、810円を出して損するものではない。

「コンビニのカレー」として考えると強い

 何でも値上げの時代とはいえ、810円はコンビニのカレーとしては安くはないでしょう。ただ、810円で、全国のセブン-イレブンにこのカレーが並んでいる(すぐ買える、すぐ食べられる)と考えると、すごいことなのではないかとも思います。

 「お値打ち!」とは言いませんし、「810円を出すなら、もっと違うものを……」と思う人もいるはず。もちろん、その考えも間違ってはいません。ただ、「きちんとしたクオリティのカレーが食べたい」という希望が、セブン-イレブンに行けば810円で叶えられる。それもまた、選択肢でしょう。

 価格に見合った価値があるカレーです。さすがセブン-イレブン、さすが荻窪トマト。恐れ入りました。

モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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