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線状降水帯の発生を精緻に予測する新スパコン “富岳”の技術を活用

2023年02月27日 18時30分更新

文● ASCII

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線状降水帯予測スーパーコンピュータ

 富士通は2月27日、土砂災害や河川の氾濫などの豪雨災害の要因となる線状降水帯の発生を予測する気象庁の線状降水帯予測スーパーコンピュータの構築を完了し、3月1日より稼動開始することを発表した。

令和2年7月豪雨の線状降水帯(気象庁提供)

 豪雨による土砂災害や河川の氾濫などの自然災害が激甚化する中、線状降水帯の発生を予測し、警報や避難情報の発表を迅速かつ的確に行なうなどの災害対策が急務となっている。このため、気象庁では、線状降水帯の予測精度向上などを早期に実現するために線状降水帯予測スーパーコンピュータを整備することとし、高性能・高信頼な「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」の採用を決定した。

 本システムは、理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピュータ「富岳」の技術を活用したFUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000 24ラックで構成し、総理論演算性能およそ31.1ペタフロップスを有する。また、ストレージシステムは、総容量42.3ペタバイトの高速ストレージで構成されている。

 さらに本システムは、地震や浸水など各種災害対策や強固なセキュリティー対策を講じた同社データセンターに設置されるため、24時間安定した運用管理による業務継続を支援する。これらにより、気象庁が取り組む線状降水帯発生予測の大幅な精度向上が期待できるという。

 同社は今後も、気象庁の大規模な中枢システムである「地域気象観測システム(アメダス)」など、ほかのシステム運用も含めて、気象庁が取り組む「観測・予測精度向上のための技術開発」などの活動を包括的に支援していくという。また、スーパーコンピュータの開発、提供を通じて培った技術や経験により、気候変動の影響により発生する水災害の防災・減災など、社会的課題の解決に尽力していくとしている。

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