ドコモが2023年2月2日~3日に、ドコモの研究開発や最新技術を紹介する「docomo Open House'23」を開催した。同イベントに出展された技術の概要は、2月28日まで公開されている特設サイトで見ることもできる(ドコモ特設サイト)。
筆者は2月1日に報道向けに実施されたプレスデーに参加し、主要な展示をリアルで取材することができた。ここでは注目すべき最新技術を中心にレポートする。
リアルな触覚を伝送する「FEEL TECH」
まずは、ドコモが慶應義塾大学、名古屋工業大学と一緒に開発した「FEEL TECH」。触覚を信号化して伝送し、それを再生できるというもの。ドコモはすでに人間の感覚をネットワークで拡張する「人間拡張基盤」を開発しているが、受け手の感じ方に合わせて触覚の共有する技術は世界初とのこと。
会場では実際にデモを体験することができた。まず、球体の触覚デバイスを持って、自分の触覚の感度を測定。球体は2つに分割でき、それぞれを軽く握るように持つ。映像に合わせて動作をすると、実際に映像に映るものに触れているかのような手応えが感じられる仕組みだ。
今回のデバイスは、手のひらだけで感じる仕組みだったが、グローブ型のデバイスで、指先で感じるようにすることもできるとのこと。将来的には、医療や伝統工芸など、感覚を重視する技術での応用、エンターテイメント分野での新しい表現としての利用などが期待される。
1万人が同時に接続できる
メタコミュニケーションサービス「MetaMe」
ドコモはOpen House'23の開催に合わせて、バーチャル空間で「超多人数接続」や「価値観理解」「行動変容」などが可能になる、コミュニケーション活性化技術を開発したと発表。その技術を用いたサービス「MetaMe(メタミー)」のベータ版を2月中に先行提供する。
「MetaMe」は、自分のアバターを作ってバーチャル世界に入り、ほかのユーザーと交流できるというもの。同様のサービスはすでに多数あるが、1つの空間に同時に1万人(100人×100サーバー)も接続できることや、自分の価値観が伝わりやすい仕掛けなどによってコミュニケーションを活性化できることに優位性があるという。
3月には、実証実験の1つとして、約1万人のユーザーが集まるサウナコミュニティ「メタサウナ」の開催を予定。イベントの詳細は未定だが、実際に多くのユーザーが同時に接続し、スムーズにバーチャル空間を移動するデモを見ることもできた。