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天の川銀河の星間分子ガス雲分布をAIで描出=大阪公立大など

2023年02月09日 06時11分更新

文● MIT Technology Review Japan

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大阪公立大学などの共同研究チームは、国立天文台野辺山45メートル宇宙電波望遠鏡によって観測された天の川銀河(銀河系)の一酸化炭素分子の大規模データから、星の原料となる星間分子ガス雲を約14万個同定。さらに、人工知能(AI)を用いて、世界で最も詳細に銀河円盤の星間分子ガス雲の分布を描き出すことに成功した。

大阪公立大学などの共同研究チームは、国立天文台野辺山45メートル宇宙電波望遠鏡によって観測された天の川銀河(銀河系)の一酸化炭素分子の大規模データから、星の原料となる星間分子ガス雲を約14万個同定。さらに、人工知能(AI)を用いて、世界で最も詳細に銀河円盤の星間分子ガス雲の分布を描き出すことに成功した。 研究チームは今回、野辺山45メートル電波望遠鏡で2014~2017年、2018年~2019年に取得した詳細で大規模な一酸化炭素分子のサーベイデータを用いて、星間分子ガス雲を約14万個同定した。さらに、距離が分かっている数百個の星間分子ガス雲の電波データを用いて訓練した人工知能(AI)で14万個の星間分子ガス雲の近遠を推定。天の川銀河を外から見たときの詳細な星間分子ガス分布を描き出し、天の川銀河内の星間分子ガス雲の典型的なサイズや質量を求めることができた。 今回の研究成果は、大きな星・星団を作るための重要なイベントとして考えられている星間分子ガス雲同士の衝突頻度の計算など、さまざまな天文学研究に波及すると期待されるという。研究論文は、日本天文学会の「欧文研究報告(Publications of the Astronomical Society of Japan)」に2023年1月27日付けでオンライン掲載された

(中條)

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