コンパクトなボディーにさまざまな機能を搭載
そんな、今までのVRヘッドセットとは一線を画す、多種多様なことが行なえるVIVE XR Eliteだが、目の前を覆うヘッドセット部分は、同社が既に販売しているVIVE Flowに酷似している。
VIVE Flowと同じくレンズは偏光レンズとハーフミラーを組み合わせたパンケーキ型を採用し、小型化を実現。目の周りを覆うガスケットは、柔らかい素材のため装着感も快適。VIVE Flowと同じくレンズ周りのダイヤルがあり、ガスケットを外してから回すことで、片眼ずつ視差調整できる。
視差調整ができるため、視力が悪い人でも裸眼で楽しめるが、ガスケットが割と広めなので、眼鏡によっては着けたまま被ることもできる。
また、瞳孔間距離(IPD)の調整も本体の底面にあるスライドで行なえる。
VIVE Flowと異なるのは、前面の中央に外部映像を取り込むRGBカメラがあり、前面左右、本体側面に合わせて4つのトラッキング用のカメラがあるところ。その4つのトラッキングカメラにより、コントローラーの安定した動作ができ、かつカラー映像を取り込むことでMRを実現している。
もちろん、ゲームをプレイする時だけでなく、電源ボタンを2度素早く押すことでパススルー機能が起動し、VIVE XR Eliteを被ったまま外の映像を見ることもできる。
そのうえ、RGBカメラの上には深度センサーがあり、これにより現実の世界にある物体の距離が計測でき、さまざまなインタラクションを可能にするという。たとえば、バーチャルなボードがリアルな机の下にいくと見えなくなるといった、より現実と仮想がリアルに融合した体験ができるようになるという。
後述するデモでは、深度センサーはオンになっておらず、深度センサーが使えるようになるのは、発売日にギリギリ間に合うかといったタイミングとのこと。
搭載するカメラの数が増えたことなどにより、VIVE Flowよりは若干サイズがアップしているというが、それでも十分小型化を実現している。加えて、VIVE Flowと同じく眼鏡のツルのような部分があるが、これも長くしてより後ろの部分から頭に固定するような作りになっている。
VIVE XR EliteはVIVE Flowと異なり、ツルの部分に接続することで専用のバッテリーを取り付けられる。VIVE XR Elite自体もVIVE Flowと同じく内蔵バッテリーを搭載し、少しの間は単体で動作が可能。さらにホットスワップに対応するため、バッテリーが切れた場合は、別売りのバッテリーに交換する、またはサードパーティー製のモバイルバッテリーを使うことで、より長く使い続けられる。
VIVE XR Eliteは、6DoF対応のコントローラーに、バッテリークレードル、コントローラーのストラップに加え、マイクロファイバーポーチなどが付属する。そのほか、別売りでケースやストリーミングケーブル、交換用や予備のガスケット、電源アダプター、バッテリークレードル、テンプルパッド、コントローラー、リストトラッカーなどが販売される予定。
アイトラッキングやフェイストラキングは
今後オプションで対応予定!
VIVE XR Eliteは、VR以外の機能も詰め込まれて、かなりの多機能だが、アイトラッキングやフェイストラッキングといった機能は、できるだけ製品を安価に抑えるため、最初からは搭載していないという。しかしながら、今後オプションで対応する予定で、今年中には発売するとしている。
アイトラッキングやファイストラッキングは、企業によってはそれらの情報を取得して、宣伝ビジネスなどに活用している。その情報で対価を得て、デバイスを安価にしている企業もあるという。
しかし、HTCは企業ポリシーとしてお客様のデータを一切得ないようにしている。そのため、企業努力で頑張れる範囲で安くしているが、適正価格のため競合他社よりも割高になっているとのこと。
さらに、無線でスマートフォンと接続することで、VIVE Flowと同じくスマホの画面を表示するミラーリングも可能。そのうえ、ハンドトラッキングにも対応するため、コントローラーなしでもスマホの画面が操作できる。
VIVE XR Eliteは、エンタープライズでも使えるようセキュリティーとプライバシー保護の機能も充実している。さらに、ペアレントコントロール機能を備えているため、子供にも安心してバーチャル体験を楽しんで貰えるとアピールした。