ソフトバンクは、2023年3月期第3四半期決算説明会を開催。その質疑応答のなかで、KDDIとの協力で3月下旬以降での提供開始を予定している「デュアルSIMサービス」について、同社代表取締役社長執行役員の宮川潤一氏が経緯を紹介した。
宮川氏は昨年8月の決算説明会において、「KDDIの大規模障害は対岸の火事ではない」「他キャリアからMVNOの構造を受けておき、緊急事態に切り替えられるeSIMのような仕組みを用意するのがいいのでは」とコメントしていた(「ソフトバンク宮川社長、有事の際のローミングで緊急通報だけでなく、300kbps程度の通信の提供を提案」)。
これに対して、「本気でやる気はあるかと(KDDIの)髙橋社長から問い合わせがあった」とのことで、「ぜひ」と返答して、そこからスピード感を持って両社で対応。現在はすでにどんなコストが必要か、障害発生時にどんな連絡手段を用いるかなど、実務的なレベルで作業が大詰めに入っている段階という。
一方で、今回のデュアルSIMサービスは、あくまで通信障害や災害などの緊急時の対策としての予備回線、保険的な存在であり、どの程度の料金であればユーザーに受け入れてもらえるかという問題がある。その料金については、「数百円の下の方で考えている」とした。
なお、KDDI以外のキャリアとの取り組みについては、「NDAの関係で回答しない」とした。