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体づくりの左右非対称性を決める「力」を発見=理研など

2023年01月17日 07時37分更新

文● MIT Technology Review Japan

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理化学研究所や東北大学などの共同研究チームは、哺乳類の発生過程の初期に体の左右の違いを決定するシグナルが、「機械的な力」によって制御されていることを明らかにした。これまで20年にわたり、体の左右対称性が破られる仕組みについて論争が続いており、今回の研究成果は生物物理学的視点からそのメカニズムを解明した画期的なものだという。

理化学研究所や東北大学などの共同研究チームは、哺乳類の発生過程の初期に体の左右の違いを決定するシグナルが、「機械的な力」によって制御されていることを明らかにした。これまで20年にわたり、体の左右対称性が破られる仕組みについて論争が続いており、今回の研究成果は生物物理学的視点からそのメカニズムを解明した画期的なものだという。 ヒトやマウスの内臓は、心臓が体の左側にあるなど非対称に配置されている。この左右の非対称性は、胎児(胚)が成長する初期の段階で、胚の腹側にある「ノード」と呼ばれるくぼみにおいて「左側を決めるシグナル」が活性化されることで決定される。だが、そのメカニズムは長らく未解明であった。 今回、研究チームはマウスの胚を用いて、光ピンセットや超解像顕微鏡など独自の先進的な光学顕微鏡で物理的解析を実施。その結果、(1)ノードで生じる左向きの体液の流れ(ノード流)により、ノードの左側の不動繊毛は腹側に曲げられ、右側の不動繊毛は背側に曲げられること、(2)不動繊毛は腹側への曲げのみに反応する「曲げられる向きを感知できるアンテナ」であることを発見。不動繊毛がノード流の力を感知し、ノードの左側のみで左側を決めるシグナルが活性化することを明らかにした。 今回の研究論文は、科学雑誌サイエンス(Science)オンライン版に、2023年1月6日付けで掲載された

(中條)

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