AMD、Ryzen 7000X3DシリーズデスクトッププロセッサーやAMD Ryzen 7045HXモバイルプロセッサーなど新製品群を発表

　AMDは1月4日（米国時間）、CES2023にてデスクトップPCとモバイルPC向けプロセッサーの新製品群を発表した。

　デスクトップPC用では「Ryzen 7000X3Dシリーズ」と65Wの「Ryzen 7000シリーズ」は、Socket AM5ユーザーの選択肢を大幅に拡大する。モバイルPC用ではRyzen 7000シリーズの新ラインアップとして「Ryzen 7045HXシリーズ」モバイルプロセッサーが、幅広いアプリケーションで平均50%以上高いパフォーマンスを達成。x86プロセッサー初となるAI専用ハードウェアを搭載した「Ryzen 7040シリーズ」モバイルプロセッサーも発表した。
 
　AMDはRyzen 7000シリーズの「Ryzen 9 7950X3D」「Ryzen 9 7900X3D」「Ryzen 7 7800X3D」にはAMD 3D V-Cacheテクノロジーのを投入し、ゲーマー向けとクリエイター向けのプロセッサーがひとつのチップに集約されたことになる。とくにRyzen 7000X3Dは、前世代比で最大14%のパフォーマンス向上を実現。

　3D V-Cacheテクノロジーを搭載したAMD Ryzen 7000シリーズプロセッサーは、2月からSocket AM5で提供となる予定。

モデル	コア／スレッド	ブースト／ベース周波数	最大キャッシュ	TDP
AMD Ryzen 9 7950X3D	16C／32T	Up to 5.7GHz／4.2GHz	144MB	120W
AMD Ryzen 9 7900X3D	12C／24T	Up to 5.6GHz／4.4GHz	140MB	120W
AMD Ryzen 7 7800X3D	8C／16T	Up to 5.0GHz／TBD	104MB	120W

 
　また、デスクトップPC用プロセッサーでは既存のRyzen 7000シリーズのラインアップに続いて、新たに「Ryzen 9 7900シリーズ」「Ryzen 7 7700シリーズ」「Ryzen 5 7600シリーズ」プロセッサーが発表。Zen 4アーキテクチャーを採用し、TDP 65Wによる効率性と性能の最適化を実現。AMD Wraithクーラーが付属しており、Socket AM5エコシステムの選択肢と採用の裾野を拡大する。また、Precision Boost Overdriveが実現するワンクリックでのオーバークロックにより、水冷式のRyzen 9 7900プロセッサーでは最大39%の性能アップを即座に実現できるという。今回発表となったモデルは、1月10日からグローバルで発売となる予定。

モデル	コア／スレッド	ブースト／ベース周波数	最大キャッシュ	TDP	クーラー
AMD Ryzen 9 7900	12C／24T	Up to 5.4GHz／3.7GHz	76MB	65W	Wraith Prism
AMD Ryzen 7 7700	8C／16T	Up to 5.3GHz／3.8GHz	40MB	65W	Wraith Prism
AMD Ryzen 5 7600	6C／12T	Up to 5.1GHz／3.8 GHz	38MB	65W	Wraith Stealth

　モバイルPC向けの「Ryzen 7045HXシリーズ」プロセッサーでは、最大16個の強力なZen 4コアと32スレッドを搭載。5nmプロセステクノロジーを採用し、現行のモバイルプロセッサーでは最多となる処理スレッドとDDR5メモリーに対応。6900HXと比較してシングルスレッド性能が最大18％、マルチスレッド性能が最大78％向上している。2月よりAlienware、Asus、Lenovo、MSIから発売となる予定。

モデル	コア／スレッド	ブースト／ベース周波数	最大キャッシュ	TDP
AMD Ryzen 9 7945HX	16C／32T	Up to 5.4GHz／2.5GHz	80MB	55～75W+
AMD Ryzen 9 7845HX	12C／24T	Up to 5.2GHz／3.0GHz	76MB	45～75W+
AMD Ryzen 7 7745HX	8C／16T	Up to 5.1GHz／3.6GHz	40MB	45～75W+
AMD Ryzen 5 7645HX	6C／12T	Up to 5.0GHz／4.0GHz	38MB	45～75W+

　新しい「Ryzen 7040シリーズ」モバイルプロセッサーの一部ではx86プロセッサー初のAI専用ハードウェアとしてRyzen AIが採用される。AMD XDNAアダプティブAIアーキテクチャーをノートパソコンで実現するもので、Ryzen AIを搭載したRyzenプロセッサーはApple M2 CPUの性能を最大20%上回るとともに、エネルギー効率も最大50%向上。
 
　また、最大8個のZen 4コアや統合AMD RDNA 3グラフィックスアーキテクチャーを搭載した超薄型PCノートパソコン向けの「Ryzen 7040HSシリーズ」モバイルプロセッサーも発表された。4nmプロセステクノロジーを採用し、薄型の軽量システムに適したプロセッサーとなっている。Ryzen 7040HSシリーズプロセッサーを搭載したPCは3月よりOEMパートナーから発売となる予定。

モデル	コア／スレッド	ブースト／ベース周波数	キャッシュ	TDP
Ryzen 9 7940HS	8C／16T	Up to 5.2GHz／4.0GHz	24MB	35～45W
Ryzen 7 7840HS	8C／16T	Up to 5.1GHz／3.8GHz	24MB	35～45W
Ryzen 5 7640HS	6C／12T	Up to 5.0GHz／4.3GHz	22MB	35～45W

　さらに、6nmプロセステクノロジーを採用し、最大8コアを搭載した「Ryzen 7035シリーズ」プロセッサーも発表。高速なパフォーマンスと長時間のバッテリー寿命を実現するとともに、新たに搭載されたZen 3+アーキテクチャーにより、最適なエネルギー効率で強力なシングルスレッド性能とマルチスレッド性能を提供。Ryzen 7035シリーズを搭載したPCは、1月よりAcer、Asus、HP、Lenovoから発売となる予定。

モデル	コア／スレッド	ブースト／ベース周波数	キャッシュ	TDP
AMD Ryzen 7 7735HS	8C／16T	Up to 4.75GHz／3.2GHz	20MB	35W
AMD Ryzen 5 7535HS	6C／12T	Up to 4.55GHz／3.3GHz	19MB	35W
AMD Ryzen 7 7735U	8C／16T	Up to 4.75GHz／2.7GHz	20MB	15～28W
AMD Ryzen 5 7535U	6C／12T	Up to 4.55GHz／2.9GHz	19MB	15～28W
AMD Ryzen 3 7335U	4C／8T	Up to 4.3GHz／3.0GHz	10MB	15～28W

　「Ryzen 7030シリーズ」モバイルプロセッサーは、Zen 3をベースとして最大8コアを搭載。パワー／パフォーマンス／効率性のバランスを実現するとともに、Radeonグラフィックスを内蔵しているためスムーズなビデオ再生やeスポーツのプレイも可能。Ryzen 7030シリーズを搭載したPCは1月よりHP、Acer、Lenovo、Asusから発売となる予定。

モデル	コア／スレッド	ブースト／ベース周波数	キャッシュ	TDP
AMD Ryzen 7 7730U	8C／16T	Up to 4.5GHz／2.0GHz	20MB	15W
AMD Ryzen 5 7530U	6C／12T	Up to 4.5GHz／2.0GHz	19MB	15W
AMD Ryzen 3 7330U	6C／12T	Up to 4.3GHz／2.3GHz	10MB	15W

　「AMD Ryzen PRO 7030シリーズ」プロセッサーは7nmのZen 3コアアーキテクチャーを採用し、AMD PROテクノロジーを搭載したモバイルプロセッサー。今日のハイブリッドワークで要求される性能とバッテリー寿命を提供し、マルチレイヤーのセキュリティーとエンタープライズクラスのソリューションによる管理性を提供する。Ryzen PRO 7030シリーズを搭載したPCは2月よりHPとLenovoから発売となる予定。

モデル	コア／スレッド	ブースト／ベース周波数	キャッシュ	TDP
AMD Ryzen 7 PRO 7730U	8C／16T	Up to 4.5GHz／2.0GHz	20MB	15W
AMD Ryzen 5 PRO 7530U	6C／12T	Up to 4.5GHz／2.0GHz	19MB	15W
AMD Ryzen 3 PRO 7330U	6C／12T	Up to 4.3GHz／2.3GHz	10MB	15W

■関連サイト

• ニュースリリース（英文）
• 製品情報：AMD Ryzen 7000シリーズ デスクトッププロセッサー（英文）
• 製品情報：AMD Ryzen 7000シリーズ モバイルプロセッサー（英文）
• 製品情報：AMD Ryzen PRO 7000シリーズ モバイルプロセッサー
• AMD