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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第220回

格安SIMの2023年は大きな変化はなさそうだが、世の中次第でその安さが再注目される可能性

2023年01月01日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

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3大キャリアが新しいプランを出してくる可能性

 昨年12月にauが、初めてスマートフォンを使うユーザー向けの「スマホスタートプラン」を拡充。22歳以下や従来型ケータイからの移行などいくつかある条件を満たせば、月1078円から利用できる。

 auにとっては、UQ mobileでも安く提供しているため、auで似たような金額で提供しても大丈夫なのかもしれない。料金が大きく抑えられるのは最初の1年間限定なので、将来的に元を取ることも可能。しかも、以前のようにスマートフォン本体の大幅値引き提供もないので、安いプランを提供する原資はあるはずだ。

 ソフトバンクも22歳以下なら20GBを月1078円で利用できる「スマホデビュープラン+ベーシック」を用意しているほか、ドコモも若年層向けの安いプランを用意している。顧客獲得への投資で一時的に安くしているとも言え、3大キャリアが年齢や期間を定めてMVNOの格安SIMなみに安く提供する例は、これからも進んでいく可能性はある。

デュアルSIM化はeSIMの対応と
再び障害が発生するかどうかで受け止められ方が変わりそう

 続いて、KDDIの大規模通信障害に端を発する回線の二重化などの動き。1台の携帯電話に2つの電話番号、しかも違う会社の回線を使う状況など、そもそも想像もできない人は多く、一般利用に浸透するとは思えないが業務利用などでは進みそうだ。

 しかし、デュアルSIMを実現するにはスマートフォンの対応が大前提。現在普及しているスマートフォン、つまりiPhoneでデュアルSIMをするにはeSIMの利用が必要なのに、楽天モバイル以外のキャリアのeSIM対応は正直積極的とはいいがたい。

 そのeSIM対応も、たとえば日本でも新型iPhoneでeSIMしか使えない仕様になったりすると、状況は一気に変わるかもしれない。また、あってはならないことだが、昨年のように長期間に渡る障害が続けば利用者が増える可能性は高まる。

楽天モバイルはさらなるサービス変更の可能性
今春も新プランはあるか?

 新プランで「1GBまで0円」がなくなった楽天モバイルは、ユーザーの大量離脱があったとされるが、普通に1GB以上使っていたユーザーにとってはあまり関係ない話。エリアは充実するようになっており、通話無料ということからも、オトクなキャリアということに変わりはなく、今後のエリア次第で使い勝手はどんどん良くなっている感じだ。

 しかし、その通話無料についても変更がないとも限らない。昨年12月に話題になった通話アプリのRakuten Linkの規約変更で、利用料についての項目が新設されたことは、今後の布石と考えることもできるからだ。

 というわけで、今後は通話料が別立ての新プランの登場もあり得る。また、月間の支払い額が少ないユーザーには通話料が課金されたり、楽天の会員ランクで無料通話に変化があったりすることもありえそうだ。

2023年はあまり変化のない年になりそうだ

 そのほかは5Gの普及にしても端末販売にしても、2022年と同様にあまり大きな変化はないと思われる。iPhoneは円安傾向によって国内価格が大きく値上がりし、買い替えペースもかなり鈍っている印象だ。この機会に普及価格帯のAndroid機へ変更する人もあるかもしれないが、それも必ずしも大きな流れにはならないと思われる。

 1つだけ動く可能性があるとすれ世の中の先行き不安感から、より安いサービスにシフトする動きが再び出てくること。サブブランドやオンライン専用プラン、そしてMVNOの格安SIMがあらためて注目されるかもしれない。年頭からあまりおめでたくない予想となってしまったが、2023年もどうぞよろしくお願いします。

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