このページの本文へ

Macbook Air、Pixel 6a、6Eルーターなど2022年を象徴する機器が選出

『ASCII BESTBUY AWARD 2022』で振り返る2022年のIT・デジタル市場

2022年12月28日 12時00分更新

文● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

iPhone値上げ、モバイルノート好調が目立った2022年

 2022年は値上げの年だった。部材不足、燃料費や原料価格、物流費の高騰、日本は円安も加わり、各所で価格が高騰。IT・デジタル業界も例外ではなく、パーツから完成品まで多くの製品で値上げラッシュとなった。中でも象徴的だったのがiPhone。7月に全機種一斉値上げとなり、4万円も値上げされた機種もあって大きな話題となった。その後に発売された新製品も価格に大きな変化はなく、高値維持されている格好だ。

 電子産業情報技術産業協会(JEITA)によると、2022年度のパソコン国内出荷実績は4月以降マイナス基調。8月が前年比横ばい、9月は5.3%増となったものの、4-9月は前年割れ、10月、11月も前年を下回っている。ただ、金額を見ると7月以降は前年を上回っており、ノートPC、特にモバイルノートが前年比130%台、140%台と市場を牽引している。モバイルノートは台数面でも前年実績を大きく上回る月が多い。

ASCII BESTBUY AWARD 2022のハイエンドスマホ部門でも受賞したiPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Max

 新型コロナウイルスによる行動制限が解かれ、徐々に日常を取り戻しつつある中、自宅とオフィス、カフェなど、いつでもどこでも仕事ができる環境を求めてモバイルノートを求めるユーザーが増えていることが見てとれる。また、金額面での好調さは、外でも快適に仕事ができるよう、若干高価でも高性能なモデルを求めるユーザーが増えているものと考えられる。

 また、2022年はゲーミング関連ギアが賑わった年でもあった。コロナ禍でオンラインゲームを楽しむ人が増えたことにより機器市場も活性化していたことに加え、2022年はeスポーツのイベントが増えたことでゲーミングPCの注目度がさらに上がった。また、PC本体に限らず、キーボードやマウス、チェアなどのゲーミング関連製品は性能・機能が高く、店頭ではテレワークでの快適性を求めて買っていくユーザーも増えている。

半在宅・半出勤、新しい働き方に対応したノートPC

 こうした背景下、今年も『ASCII BESTBUY AWARD 2022』が開催されたが、選出された製品はどれも2022年を象徴するモデルばかりだ。

 家電量販店とアスキー編集部の投票に読者投票を加えて選出する2022年グランプリは、Appleの「MacBook Air(M2チップ搭載)」に決定した。モバイルノートPC(1.3kg未満)部門でも選ばれた同製品は、M2チップの搭載により性能が向上し、静音性、デザイン性も高いため、カフェなど外出先で仕事をこなすビジネス用途に最適と量販店での販売も好調のようだ。

 「デザインを一新して登場したMacbook Air M2。丸みがなくなり、上位MacBook Pro をそのまま薄くしたような高級感ある印象に。M2 プロセッサの採用で、より快適な動作が完全ファンレスで実現できて いるのはモバイルパソコンとしては理想的。新色ミッドナイトが個人的に好みのカラーです(ソフマップAKIBA パソコン・デジタル館・藪田大輔氏)」など、販売現場からも高評価を得た。

Apple「MacBook Air(M2チップ搭載)」

 スマートフォンの価格も上昇する中、比較的低価格ながら機能・性能が高いバリュースマホにも注目が集まった。「Google Pixel 6a」は、写真の中の不要な箇所を簡単に消せる「消しゴムマジック」、日本語の音声をテキスト化してくれる「文字起こし」など、ハイエンドモデルと同じ、Pixelの独自機能が利用できつつ価格が抑えられている点が評価された。

 「カメラ機能などは上位モデルにかなわないものの、Google独自機能などはほぼ同じなので、すぐにAndroidの最新機能が使えるのが魅力。そしてなにより5万3900円という値段にミドルハイ相当のスペックというコスパの良さがポイント。リッチなゲームに向かないのはこの価格帯のモデルすべてに言えるが、普段使い+αくらいなら何も不足なく使える。“こういうのでいいんだよ”を体現したモデルといえるだろう(ASCII編集部 末岡大祐)」

ハイバリュースマホ部門で選ばれた「Google Pixel 6a」

 スマホは10万円オーバーが当たり前、iPhoneに至ってはハイエンドモデルが24万円と高性能パソコン並の価格となる中、今回エントリーされた「Google Pixel 6a」「OPPO Reno7 A」「Nothing Phone (1)」は時代のニーズに合ったモデルで、このジャンルは来年もより賑やかになるものと思われる。

ゲーミングギアは日常使いでも利便性が高い

 2022年に注目度が高かったゲーミングPCでは、DELLの「Alienware m15 R7ゲーミング ノートパソコン」が選ばれた。店頭では、「240Hz対応パネルを使用しているので、滑らかな映像でゲームをプレイできる。解像度が高く色域も広いのでクリエイターの方にもおすすめ。スピーカーには、最新の3D音響「DoldyAtmos」を採用。臨場感あふれるサウンドが体験できる。デザイン性もさることながら、細かなところまで手を抜いていない性能(ビックカメラ 池袋カメラ・パソコン館・霜田昭範氏)」との評価。

DELLの「Alienware m15 R7ゲーミング ノートパソコン」

 高精細な15.6型ディスプレー、高性能なCPUで処理が速く、GPU搭載により動画や写真の描画・編集がスムーズ、音響にもこだわっていることで、ゲームだけでなくYouTube動画の編集や3DCG制作、ネット配信動画の視聴、市場が立ち上がりつつあるVRコンテンツにも対応でき、快適動作で仕事のストレスも軽減するなど、1台で何役もこなせるゲーミングPCは価格以上の価値をもたらす存在だ。

 2022年の国内IT市場においては、Wi-Fi 6E対応ルーターの登場も時代を象徴するニュースだった。スマホに加えて、ノートPC、タブレットPC、テレビ、ゲーム機、さらにエアコンや電子レンジなどの生活家電など、今や家中がWi-Fi対応機器にあふれている。対応機器の増加により家の中で通信が混雑すると、仕事やオンライゲームでストレスがたまる。

 Wi-Fi 6Eは、従来の2.4GHzと5GHzに加え、新たに6GHz帯の電波が利用できるようになったことで選択可能なチャンネル数が増加し、より高速で快適なインターネット通信が可能になる。

 9月に発売したバッファローの「WNR-5400XE6」は、「いち早く6GHz帯が使えるWi-Fi 6Eに対応。競合製品と異なり、縦置きでスタイリッシュな筐体。メッシュWi-Fiにも対応。TWT対応、バンドステアリングLite機能搭載、かんたんセットアップ、スマホ用アプリでの接続など全部入り(ASCII編集部 八岡弘高)」と評価され、PC周辺機器部門でアワードに輝いた。

バッファローのWi-Fi 6E対応ルーター「WNR-5400XE6」

 Wi-Fi 6E対応のノートPC、スマホも徐々に増加しており、2023年はWi-Fiルーター、対応デバイスともにさらに増え、市場が活性化することが期待される。

 このほか、ゲーミング周辺機器部門でアワードに選出されたSteelSeriesの「Apex Pro Mini Wireless」がユニークだ。

 「1つのキーの深さで2つの動作を登録できるのが非常に有用。また作動点も細かく調整でき、ユーザーごとに合わせられるのがとても便利。一番浅く設定すると触れるだけで反応するが、入力にそれほど支障がない。無線・有線ともに対応しているためデスク周りの環境に合わせられるのもGOOD!FPSプレイヤーに特におすすめのキーボードです(ジョーシン 商品部 コモディティ家電グループ・中家史貴氏)」

 高いカスタマイズ性はテレワークのストレスを和らげることができ、ゲームだけでなく仕事や普段使いにも重宝する。実売4万円前後と高価だが、それに見合った価値がある高級機だ。

SteelSeriesのゲーミングキーボード「Apex Pro Mini Wireless」

 なお、ここ挙げた以外にもユニークで魅力的な多数の製品がASCII BESTBUY AWARDを受賞しているので、ぜひ本編の記事を読み、年末年始の買い物の参考にしてほしい。

 

■関連サイト

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン