モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第76回
冬にぴったり「カットステーキのビーフストロガノフ」:
まろやかさが魅力、松屋のビーフストロガノフ 850円をどう考えるか……
2022年12月23日 12時00分更新
「カットステーキのビーフストロガノフ」
松屋
850円
https://www.matsuyafoods.co.jp/whatsnew/menu/45688.html
松屋のビーフストロガノフはダブルビーフ
昭和生まれの筆者の感覚ですが、「恋人に作る料理」として挙がるもので、ビーフストロガノフは鉄板でした。鉄板でしたと言われても……と思うかもしれませんが、編集部員に聞くと、けっこう“あるある”らしいです。
まあ、それはちょっと古い考えかもしれません。今の若い人には通用しないネタだと思います。昭和の人があるあるを押し付けると、令和の若者には通用しない……というのは、ネットでよく見る話です。みんながみんな、フリーザの戦闘力や桜木花道の名セリフを知っていると思わないほうがいいのかもしれません。
ちなみに、ビーフストロガノフはロシアの牛肉料理。考案者については諸説あるそうです。いずれにしても、ソ連時代に普及したとのことで、それほど昔から食べられているものではないのかも。
そんなビーフストロガノフが、松屋に登場。12月20日に「カットステーキのビーフストロガノフ」を販売されました。ライス、みそ汁付きで850円。
鉄板で焼き上げたジューシーな牛肉のカットステーキと、やわらかな薄切りビーフを、甘味と酸味、コクのあふれる上品なオリジナルソースで仕上げたとのこと。
ごろごろのカットステーキと牛バラ肉の“ダブルビーフ”が魅力的なこの一皿は、ごはんやお酒との相性もバツグンだとか。単品730円、持ち帰りも可能です。
見た目としては、まさに松屋の定食といったところ。ごはん、ビーフストロガノフ、みそ汁。ビーフストロガノフとみそ汁が一緒に並ぶことに疑問を抱かなければ、あなたも立派な松屋ニストです。
クリーム的なものも、ちゃんと入っていました。ビーフストロガノフではおなじみですが、ロシアではサワークリームを入れます。日本では生クリームなどを入れることも多いですよね。
歯ごたえの異なる2種類の牛肉が楽しい
さて、ビーフが気になりますよね。“ビーフ”ストロガノフですし、“ダブルビーフ”と松屋も称しているわけですし。
まず、「鉄板で焼き上げたジューシーな牛肉のカットステーキ」とうたっていますが、ちょっと小さいです。それほど厚みもないですし。焼肉丼に乗っている肉のサイズという風情でしょうか。
もっとも、悪いわけではありません。シチューやカレーだと想像してみてください。これぐらいの大きさのほうが、口に入れやすいですし、ソースとなじむでしょう。本気のステーキサイズだと、ビーフストロガノフじゃなくて、「ステーキのストロガノフソース」みたいなメニューになっちゃいますし。
カットステーキだけでなく、松屋のビーフストロガノフは、薄切りビーフ(要するに牛めしに入っているサイズ)もあります。これでダブルビーフというわけです。歯ごたえの異なる2種類の牛肉があるのは、なかなか楽しいものです。
まろやかだけどごはんとの相性もよい
価格に納得できるかどうか
さて、松屋の限定メニューでは、ほとんどの場合、ごはん(と、みそ汁)がセットになります。すなわち、どんなメニューであっても、白米との相性が肝心になります。最近ではロカボチェンジも可能ですが。
そのような理由もあって、松屋のメニューは総じて味が濃い(しょっぱい)傾向にあります。ところが、このビーフストロガノフは、意外とまろやかです。「うわ、塩味が強いな」とは思いませんでした。
その割に、しっかりとコクがあるため、ごはんと一緒に食べてもしっかり米が進む味付けになっています。どっしりしているけど、しょっぱすぎない。このあたりの塩梅は、みごとなものです。
完成度で見るなら、松屋の期間限定メニューの中でも、かなりオススメの部類。本格的なロシア料理とはいえないかもしれませんが、松屋風の味付けでありつつ、味が濃すぎず、ちゃんとコクもあって、肉の食べごたえもある。バランスがよいのですね。
強いて言うなら、やはり850円という価格はすこし高いかな……という気はします。「ビーフストロガノフが850円」、それだけなら問題はなさそうですが、牛めし並盛380円やオリジナルカレー並盛480円などを横目に見てしまうと、どうしても……。
ちょっと割高な感じはしますが、味のバランスはよいですね。料理単体としても、ごはんのおかずとしても、成立します。850円という価格をどう考えるか、そこを納得できるかどうか……だと思います。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
この連載の記事
-
第85回
グルメ
日清さん、これってそんなに“背徳”ですか? カップヌードル「チーズバタークリーミーカレー」 -
第84回
グルメ
すき家の新しい牛カルビ丼 タレの味が変わって玉子との相性が◎ -
第83回
グルメ
松屋「台湾風まぜ牛めし」 ビビン丼っぽい“ちょうどよい”おいしさ、590円の中庸の美学 -
第82回
グルメ
ケンタッキー「超チーズにおぼれるフィレバーガー」バランスが崩壊するほどのチーズソース -
第81回
グルメ
マクドナルド初のアジアンバーガー「担々」「油淋鶏」「スイートチリ」食べた! 一番アジアを感じるのはコレ -
第80回
グルメ
ビーフ3枚+チーズ6枚=1890円、食事というよりレジャーです バーガーキング「トリプルビーフ・ゲレンデ」 -
第79回
グルメ
松屋のボロネーゼハンバーグ “ひき肉×バーグ”でごはんに合うけどちょっと高いかも? -
第78回
グルメ
松屋のカルボナーラはごはんで食べる “シュクメルリ”路線の第2弾と考えよう -
第77回
グルメ
コンビニでサウナ飯? セブンイレブン「サウナ北欧監修 特製カレーライス」 -
第75回
グルメ
ついに登場「イチゴ味のレッドブル」レッドエディション(2022)のお味は? - この連載の一覧へ