「医療法人社団 圭春会 小張総合病院」がOL2701をトライアル導入

AKRacingのディスプレー「OL2701」が医療現場にもたらした恩恵とは

文● 市川/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ゲーミングチェアでおなじみのAKRacingが販売する「OL2701」は、国産OLED(有機EL)パネルを搭載するディスプレーだ。4K解像度(3840×2160ドット)を採用する27型ディスプレーで、ゲームというよりも動画や写真などのクリエイティブ用途に適している。実売価格は29万8000円前後。

 そんなOL2701が、千葉県野田市にある「医療法人社団 圭春会 小張総合病院」(以下、小張総合病院)にトライアル導入された。今回、実際に小張総合病院を訪問し、OL2701に関するインタビューを行なった。

小さな病変や気になる箇所を鮮明に映し出してくれる

 小張総合病院に勤務する南 二郎氏にインタビューを実施。まずはOL2701の使用目的について話を伺った。

「医療法人社団 圭春会 小張総合病院」の健康管理課(健診センター・巡回健診) 業務改革推進室 係長の南 二郎氏にインタビュー

 南氏によれば、OL2701は各画像診断装置(MRI)のモニタリングや読影で試用したとのこと。画像診断とは骨折や内臓の損傷などを調べる検査で、超音波検査(エコー検査)やX線検査(レントゲン検査)などがその例に該当する。

 実際にOL2701を使ってみて、とにかく画像が鮮明で驚いたという。レントゲンやエコー画像など白黒の濃淡や暗部のディテールがかなり見えやすくなったと答えていた。

 バックライトをパネルを当てることで映像が映る液晶パネルと異なり、有機ELはバックライトがなく、自ら発光する「素子」を使って映像を映し出すという仕組みだ。それにより、光らせない場所では完全な漆黒を表現できるため、わずかな濃淡や明暗も忠実に再現可能としている。レントゲン写真のような白黒の画像を見るうえで、黒の表現に秀でた有機ELとの相性は良さそうに思えた。

超音波検査(エコー検査)やX線検査(レントゲン検査)などの画像診断において、白黒の濃淡が見えやすくなったという

 また、医療現場におけるOL2701のメリットについては、作業効率と正確性が大幅に向上したことを挙げていた。読影・画像診断でズームしても高画質のままなので、例えば小さな病変の正確な発見や、気になる箇所を詳細に確認できる点がOL2701の強みとなっている。

 加えて、詳細を都度確認できれば若い医師の育成にもつながるとコメントしていた。手術中の映像であれば患部へのズームはもちろん、医師の手元を拡大した映像を残せば育成資料として大きく役立つのだそうだ。

OL2701のポテンシャルに期待

 高精細かつ美麗の映像を生み出す4K有機ELパネルが、医療現場で大きく貢献している点に感心を抱いた。鮮明かつ色再現度の高い映像によって病の早期発見が可能になるほか、次世代の人材育成にも役立つからだ。OL2701は、医療などさまざまな現場で活躍できる、多様性のあるモニターと言っても過言ではないと感じた。

 さまざまなポテンシャルを秘めたAKRacing製ディスプレー、OL2701。そんなOL2701がどのような活躍を見せるのか、今後も注目していきたい。

過去記事アーカイブ

2024年
02月
03月
04月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
10月
2019年
06月
2017年
04月
06月
2015年
08月
12月