エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀の「チャレンジャー・インタビュー」番外編

50周年のユーミンを海抜250mの東京シティビューに真空パックのミュージアム誕生

文●玉置泰紀(一般社団法人メタ観光推進機構理事)

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 東京シティビュー(六本木)は2022年12月8日から2023年2月26まで、2022年にデビュー50周年の節目を迎えた松任谷由実さん(ユーミン)の魅力を体感する過去最大規模の展覧会、「YUMING MUSEUM」(ユーミン・ミュージアム)を開催する。61歳の筆者はほぼ、ユーミンの活動と並走してきたファンだが、これまでほとんど公開されることのなかったユーミン自身のコレクションや、貴重な資料や映像、ステージ衣装、直筆のメモなどを、ユーミンが育った東京の街を見渡す海抜250mの大パノラマ空間に集積した過去最大規模展示の内覧会に、一足早く浸ってきた。

大きく開けた東京を背景にした展示は、グラフィック・デザイン:森本千絵(goen°)、展示構成:阿部真理子(aabbé)による

これまで公開されたことのないコレクションから伝説のステージの衣装からセット、名曲の数々の直筆化し、メモまで過去最大規模の展示

 ユーミンは、18歳だった1972年にシングル「返事はいらない」でデビュー。50年の活動で、39枚のオリジナルアルバムを生み出し、毎回、アッと驚く趣向でファンを魅了してきたステージも公演数2000回を超える。

 今回の展示に、寄せたメッセージは以下の通り。

 「シンガーソングライターとしては、多岐にわたる膨大な仕事量だったと、我ながら驚いています。

 人生ここらで整理整頓しなくちゃ、データが重すぎて先に進めない。

 そんなとき持ち上がったこの展覧会の企画。

 数々の資料やアイテムで、活動の時代、時代を、立体的に再現しました。

 "ユーミン自らの謎"を解き明かす旅に、どうぞお付き合いください。」

■見逃せない展示をチェック!

【写真】

 幼少のころから今に至る貴重な写真が東京シティビューの大きな窓から見える街の風景をバックに並ぶ

【絵画】

 大学は多摩美術大学で、立教女学院高校高校時代から、美大を目指して、多くの絵やクロッキーを描いていた。多摩美術大学では日本画専攻。大学1年生の時には、「返事はいらない」でシンガー・ソングライターとしてデビューしていたが、美大生としても課題に取り組んでいた。

【学生時代に読んでいた本】

立教女学院高校までの片道約1時間の電車通学の間、よく本を読んでいた。推理小説や怪奇小説が好みだった。

【ステージ衣装】

 SURF&SNOW in 逗子マリーナなど、公演数2000回を超えるステージを飾った様々な衣装。4枚目の写真はデビュー45周年を記念したツアー「TIME MACHINE」(2018~2019)でユーミンが乗った象ロボット。1979年の「OLIVE」ツアーで登場した本物の象へのオマージュ。

【松任谷由実コンサートツアー 深海の街】

 コロナ禍の中、アルバム「深海の街」(2020年12月)リリース10か月後の2021年9月30日からスタートしたツアー(~2022年7月9日まで、全国60公演を超えた)の迫力ある舞台装置。

【名曲の数々】

 数々の名曲の自筆楽譜から歌詞、メモまで。1枚目の「中央フリーウェイ」の譜面は、かまやつひろしさんの為に、当時所属していたアルファミュージックの譜面紙に「自分用でなかったから」と丁寧に書いたそう。1976年、テレビ番組「セブンスターショー」でかまやつさんと共演したユーミンが、かまやつさんのために作った曲だったからだ。

【音声ガイド】

 音声ガイドはユーミン自身が担当。裏話や思い出話を交えながら、展示作品について、DJのように話し、50年の軌跡を辿るラジオ番組のような楽しさがある。また、ミュージシャンはもちろん、俳優やスポーツ選手、芸人など、様々なジャンルの著名人が、ユーミンソングのリクエストとメッセージを寄せていて、窓際の「私のYUMING STORY」スペースで、東京の風景を楽しむことができる。リクエスト企画参加者は、JUJU、鈴木敏夫、玉ノ井親方(元大関・栃東)、徳永英明、羽生結弦、林原めぐみ、ビートたけし、堀江翔太、山内マリコ、YOU、YUKI、YOASOBI、リリー・フランキーら。

【ユーミンの自宅のデスク・スタジオ】

実際の私物で一部を再現している。ピアノの前に座って、昔から使っている「ボールぺんてる」を握る。色鉛筆は、「曲を色でイメージする」というユーミンならでは。壁には、ユーミンが自分の世界観と近いと感じているルイ・イカールのリトグラフ「ファウスト」や、大好きなロンドンやパリの写真が掛けられている(写真4枚目)。

■展覧会オリジナル・グッズ

 展覧会の限定グッズも必見。ハンカチや付箋、クリアファイルやカップ&ソーサーなど充実のラインナップだが、クリスマスや年末年始、バレンタインには新しい商品のラインナップが予定されている。オリジナル・グッズのためにキー・ビジュアルを作った森本千絵さんからのメッセージは以下の通り。

 「ユーミンが描いてきた世界は、それぞれの人生に染み込み、私たちの羅針盤になってきたと思います。私もその1人として、賛美と感謝を込めてデザインさせていただきました。五感で魅せられる譜面のような絵にし、皆さんにとって大切な楽曲に寄り添えたらと願っています。ツアーと違い、ミュージアムならではのアイテムを楽しんでいただけたら幸いです。私もこのグッズを抱きながら、これからもユーミンの音楽に身と心を委ねていきたいと思います。」

■限定コラボメニュー

 会場と同フロアにあるレストラン「THE SUN &THE MOON」で、ユーミンの冬や恋の曲をテーマにしたアフタヌーンティーとカクテルを期間限定で提供する。

Yuming 50th Anniversary Tea 〜Winter version〜 5000円

提供期間:2022年12月8日~2023年1月20日

 コラボレーションノンアルコールカクテル2種とコーヒー、紅茶、ハーブティー約20種のフリードリンク付き。「サーフ天国、スキー天国」「ダイヤモンドダストが消えぬまま」などの冬の曲がテーマ。カクテルは「恋人がサンタクロース」からインスパイアされたノンアルコールカクテル2種類。左がMilky Santa、右がWhite Christmas。

Yuming 50th Anniversary Tea 〜Love version〜 5000円

提供期間:2023年1月21日~2023年2月26日

 コラボレーションノンアルコールカクテル2種とコーヒー、紅茶、ハーブティー約20種のフリードリンク付き。「ルージュの伝言」「14番目の月」などの恋の曲がテーマ。カクテルは「青春のリグレット」「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ」からインスパイアされたノンアルコールカクテル2種類。左がRegret、右がDandelion。

 全期間、提供されるカクテルは2種類。

Message of Burgundy 2000円

 赤ワインを使った、「ルージュの伝言」の楽曲から妖艶なイメージをカクテルにした。

Contrail~コントレイル~ 1800円

 「ひこうき雲」からインスパイアされた白い雲と青い空をイメージしたカクテル。

■展覧会概要
会期:12月8日~2023年2月26日 ※会期中無休
開館時間:10時~22時(最終入館21時)
会場:東京シティビュー(東京都港区六本木6-10-1、六本木ヒルズ森タワー52階)
料金:一般2500円、高校・大学生1700円、4歳~中学生1200円、シニア(65歳以上)2200円
※東京シティビュー入館券では入場できないエリアがあり、追加料金が別途かかる
公式サイトhttps://yumingmuseum.jp/

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