このページの本文へ

パナソニック、V2H参入 EV+蓄電池で4日分のバックアップ可能

2022年12月05日 17時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita) 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 電材などを扱うパナソニック エレクトリックワークス社が12月2日、EVのバッテリーに蓄えた電力を家庭に供給するV2H(Vehicle to Home)蓄電システム「eneplat(エネプラット)」を発表。2023年2月21日から受注を開始します。V2Hスタンドの想定実売価格は176万円(工事費別)。

V2Hスタンド

エネプラット全体(V2Hスタンド、パワーステーション、電力切替ユニット、蓄電池ユニット、蓄電池用コンバーター)

 エネプラットはEVと蓄電池の同時充放電に対応しているのが特徴。太陽が出ている昼間にEVと蓄電池にたっぷり充電して、夜間に両方から放電して電力をまかなうといった用途を想定しています。

EVと蓄電池の同時充放電ができるのは業界初という

 発売に合わせ、同社製のHEMS「AiSEG2」も2023年夏にバージョンアップ。日射量の予測をもとに蓄電池を制御し、自家消費率を向上させる「AIソーラーチャージPlus」機能が使えます。これまでの「晴れ」「曇り」といったおおざっぱな天気予報に比べて予測の精度が上がっているそうです。

HEMS「AiSEG2」

 停電時用に容量を残しておく蓄電機能も賢くなりました。これまで停電時用に確保する容量は決めておく必要がありましたが、新バージョンでは翌日の余剰電力を予測して、どれくらい確保する必要があるのかを自動判定。自家消費と災害対策を賢く両立できるようになっています。

発電量予測の精度が上がり、予測をもとに残量を調整できるようになった

 気象警報が発令されると自動でEVと蓄電池に満充電指示が出され、停電時までに充電を完了させる機能も備えます。停電時にはエコキュートの自動沸き上げを停止したり、電気のムダづかいをおさえるような制御も可能。

 たっぷり充電した電力をムダなく使うことで、一般家庭で照明や冷蔵庫、IHやエアコン、エコキュートなどを普段どおりに使っても、最大約4日もつほどの電力のバックアップができるそうです。

最大約4日もつほどの電力をバックアップできるという

 V2Hスタンド本体の特徴はコンパクトサイズ。エアコンよりも小さい床面積に設置できるので、狭い駐車場などには便利です。充電ケーブルが左右どちらにもつけられたり、ケーブルがやわらかくて取り回しがしやすいといった使い勝手も他社に対する優位点となっています。

ケーブルは取り回しのよさにこだわった

上向きのしなりがよく動かしやすい

 個人的な話ですが、最近引っ越した中古の戸建てには10年モノの東芝製太陽電池が乗っています。そこにやっぱり日産リーフの中古を買って蓄電池代わりにしたいなと考えていたのですが、駐車場の形がやや特殊で、既存V2Hは設置しにくいところがありました。EV買い替えで充電ポートの位置が変わるかもしれないと考えると、エネプラットの強みがわかってきます。

 なおV2Hスタンド導入にはパワーステーション(想定実売価格96万8000円・工事費別)が必須となり、機能をフル活用するにはAiSEG2(同10万1420円)も必要になるため、本体価格は合計282万9420円ということに。設計からしてEVと蓄電池を併用するような上位層のユーザーが狙いなのだと思いますが、なかなかのお値段ですね。

 

アスキーキッズメルマガ 毎週土曜に配信中

 アスキーキッズは毎週土曜、一週間ぶんの記事をまとめて読めるメールマガジンを配信中。人気連載「ほぼほぼ育児」をはじめ、ニュース、イベント、プログラミング教育入門、みんなの子育て体験談など、子育ての参考になる情報満載です。ご登録はこちらから。

カテゴリートップへ