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WiFiデバイス台数と大容量のWiFi利用が増え続ける時代、安定かつ高速なWiFi 6Eは“生活必需品”に

初のクアッドバンドメッシュ「Orbi WiFi 6E」、ネットギアがお披露目イベント

2022年11月29日 14時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ネットギアジャパンは2022年11月24日、eスポーツパーク「RED° TOKYO TOWER」内の「RED゜ARENA supported by NETGEAR」で、WiFi 6E対応ルーター新製品を一般ユーザーに紹介するイベントを開催した。

「RED゜ARENA supported by NETGEAR」は東京タワーフットタウンの5階にあるeスポーツ専用アリーナ。32台の最新ゲーミングPCが設置されており、eスポーツ大会やオンライン配信イベント、eスポーツ教室などに活用されている

後半には現役女性ストリーマー5人によるトークショーやゲーム大会も開催され、満員となった会場を盛り上げた

なぜWiFi 6Eが必要か? なぜOrbi WiFi 6Eなのか?

 この日発表された「OrbiクアッドバンドメッシュWiFi 6Eシステム」(Orbi 9)は、6GHz帯+5GHz帯+2.4GHz帯+バックホール(5GHz帯)の合計4帯域を利用する、国内初(同社調べ)のメッシュWiFiシステムだ。通信速度はAXE11000(最大4.8G+4.8G+1.1G)となっている。

 RED゜ARENA のイベントでは、ネットギアジャパン マーケティング担当の添田絢也氏が詳しく解説した。

会場には発表されたばかりの「OrbiクアッドバンドメッシュWiFi 6Eシステム」(RBKE960シリーズ)を展示。ブラックエディション(日本未発売)も特別展示

 まずは「なぜWiFi 6Eが必要なのか?」の説明からだ。一般家庭においても、PCやスマホ、タブレットだけでなく、インターネットTVやスマートスピーカー、IoT家電といったWiFi接続デバイスが増え続けている。また他方では、4K/8K映像の視聴やテレワークのWeb会議なども一般化し、やり取りするデータは大容量化している。これからも快適なWiFi環境を利用していくためには、6GHz帯も使えるWiFi 6Eがオススメというわけだ。

 なぜ6GHz帯が使えると快適になるのか。添田氏は「6GHz帯は“まだ誰も通っていない道路”」だとたとえる。5GHz帯、2.4GHz帯はすでに多くのWiFiデバイスが利用する“混雑した道路”で、しかもWiFi以外の用途(航空/気象レーダーなど)も利用している。6GHz帯はこうした混雑や干渉が少ないため、安定して遅延の少ない通信が期待できる。さらに帯域幅も広く、高速な通信が可能だ。

 「WiFi 6Eならば、これまで容量を食っていた(多くの容量を使っていた)4K/8KのインターネットTV、ノートPC、スマホなどを6GHz帯に移すことができます。これらのデバイスの利用が快適になるし、それにより5GHz帯が空くのでほかのデバイスも快適になります」(添田氏)

WiFi 6Eで新たに追加された6GHz帯は、混雑や干渉が少なく安定した低遅延/高速通信が期待できる

 続いては「なぜOrbi WiFi 6Eなのか?」だ。最大の理由はクアッドバンド&専用バックホールへの対応である。Orbi WiFi 6Eでは、WiFiデバイスが接続する帯域(フロントホール)とは別の帯域を使って、ルーター~サテライト間のバックホール接続を行う。多数のWiFiデバイスがフロントホールに接続しても、専用バックホールは混雑せず影響を及ぼさないので、ルーター~サテライト間を常に安定した通信で結ぶことができる。

クアッドバンドで専用バックホールを備えるOrbi WiFi 6Eと、非専用バックホールを使うその他の製品の違い

 専用バックホールを備えるOrbi WiFi 6Eと、非専用バックホールを使うその他のメッシュWiFi製品の違いを、添田氏は「流しそうめん」でたとえた。ほかのWiFiデバイスと帯域を共有する非専用バックホール接続の場合、接続するデバイス台数が増えるとバックホールの帯域が圧迫される。「上流からそうめんが流れてきても、途中の人がすごく食べる人だったら、下流にはもうほとんど流れてこないわけです(笑)」。

専用バックホールのメリット

「まねできない」独自技術のアンテナを搭載、カバレッジを拡大

 もうひとつ、ネットギアが独自設計するアンテナも大きな特徴だという。Orbi WiFi 6Eでは12本のアンテナを本体に内蔵しており、その改善によって1台あたりの5GHz帯カバー範囲(カバレッジ)を前世代Orbi比で30%拡大した。これは専用バックホールのカバーエリア拡大と安定性にもつながっている。

 「CEOのパトリック・ローも言ってますが『アンテナの技術はほかのどこもまねできない』。デジタルな技術は比較的簡単にコピーできてしまいますが、アンテナ技術というアナログな部分はそう簡単にはコピーできないわけです。ネットギア独自の技術を詰め込んだアンテナによって、WiFiのカバー範囲や途切れにくさは確実に変わってきます」

 そのほか、10GのWANポートを搭載して高速な光インターネットサービスにも対応しており、LANポートにも2.5Gポートを搭載する。この2.5Gポートは、ルーター~サテライト間を有線バックホールで接続する場合にも利用できる。

Orbi WiFi 6Eは12本のアンテナを内蔵。5GHz帯のカバレッジを改善している

 Orbi WiFi 6Eは年内の出荷開始予定。NETGEAR Storeでの3台セット(ルーター+サテライト×2)の税込価格は27万5400円、追加用サテライトは9万9800円だ。またブラックエディションも「近日発売予定」としている。

 「こちら、WiFiメッシュシステムとしてはおそらく最高級の価格だと思います。ただしネットギアが26年間、ネットワーク一筋で培ってきた技術が詰め込まれており、パトリックはこの価格でも求める方は必ずいると、非常に自信を持っています。WiFiはもはや24時間必要な“生活必需品”であり、そういった投資を惜しまない方はいると見ています」

 なお添田氏は、NighthawkシリーズのトライバンドWiFi 6Eルーター新製品「Nighthawk RAXE500」も紹介した。ガルウイング型の内蔵アンテナ8本で、AXE11000(最大4.8G+4.8G+1.1G)の高速通信を広範囲に提供する。また2,5G WANポートも搭載する。こちらの国内発売日は現在調整中で、添田氏は「2023年の1月から3月の間に発売したいと努力しています」と述べた。

NighthawkシリーズのWiFi 6Eルーター新製品「Nighthawk RAXE500」の特徴

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