ネットで「ヒヤっとした話」を集めよう 第19回
『このサービスを失うワケには!』……という心理を突いた詐欺
Amazon「プライム会員」凍結予告メールでヒヤリ!
2022年11月17日 17時00分更新
プライム会員特典が使用不能に!?
思わずヒヤッと肝が縮こまるような、ネットにまつわる体験談を紹介するこの連載。今回は「急いで対応しようとしたために騙されそうになってヒヤリ」というお話です。
焦りを煽るニセ「会員情報管理」詐欺にヒヤリ!
一昨年の今頃、「Amazonでクレジットカード情報が確認できなくなったため、Prime Videoなどプライム会員特典が使えなくなる」という内容のメールが届きました。
そのメールに付いていた「会員情報管理」とかいうURLをクリックしたところ、メールアドレスとパスワードの入力欄が。『あれ、そもそもどのメールアドレスを使ってたんだっけ?』とログイン用のメールアドレスをすっかり忘れていたため、条件反射でAmazonのブックマークをクリックしたところ、普通にログインできました。
しかもプライム会員のままだったので、そこで初めて『もしかしてこれ、フィッシングメールというやつでは……!』と気付いて速攻メール削除しました。危なかった!
今回のヒヤリ案件は、Amazonを騙るフィッシング詐欺に引っかかりそうになった体験についてのお話です。投稿者さんはすんでのところでフィッシングと気づけたようでなによりです。
Amazonを騙るフィッシングはとにかく大量
Amazonを騙る詐欺は非常に増えていて、特にAmazonプライム会員の更新状況について偽りのメールを送るフィッシング詐欺が横行しています。2020年5月にフィッシング対策協議会も緊急情報として警告を発していますが、2年経った現在も相変わらずの状況。報告件数の約半数がAmazonを騙る詐欺だった月もあるようです。
手口はまさに今回の投稿者さんが経験した通り。「クレジットカード情報が確認できない」「支払いに問題が生じた」「プライム契約の自動更新ができない」とバリエーションはいくつかありますが、とにかくAmazonのサービスを使い続けるためにはユーザーが急いで対応しなければならない内容を示すことで、ユーザーを慌てさせてフィッシングサイトに誘導するつくりです。
Amazonのプライム会員になっている人の多くは、送料無料というメリットを享受しながら頻繁にAmazonで買い物をしていますし、Prime Videoについても実質無料で連日楽しんでいることでしょう。Amazonがもはや生活の一部となっている人も少なくありません。そんなAmazonの利用が停止される、となれば「焦り」が生じるのは当然です。
その「焦り」は、ユーザーの冷静な判断を失わせます。そのため「Amazonプライム会員特典の利用ができなくなるかも」という内容が多用されるわけです。言うまでもありませんが、フィッシングサイトでログイン情報を入力したあとは、クレジットカード情報をはじめとした個人情報が窃取されます。
今回の投稿者さんは、フィッシングサイトまで連れて行かれて、メールアドレスを入力するところでメアドを忘れていたことで冷静になれました。ただ、ここで万が一、メールアドレスを覚えていたら……。本当に運が良かったと言えるでしょう。
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