第12世代のインテル「Core i7-1260P」、Blu-ray Discドライブを搭載
<LAVIE N1575/EA>は、仕事や趣味、そして家族の1台にふさわしいスタンダードノートPCだ
高いシングルスレッド性能が快適動作を実現!
<LAVIE N1575/EA>に搭載されているCore i7-1260Pは、第12世代インテルCoreプロセッサーの省電力モバイル向けモデルだ。性能重視のPコアを4基、効率重視のEコアを8基搭載する合計12コア/16スレッドのハイブリッド・アーキテクチャーCPUだ。最大ブースト時の動作クロックは4.7GHzに達し、省電力モバイル向けながら高いシングルスレッド性能が期待される。
システムメモリーは16GB(DDR4-3200 SO-DIMM 8GB×2)を搭載する。一般用途に対して十分なメモリー容量であることはもちろんのこと、ちょっとした写真加工や動画編集など、軽いクリエイティブ用途にも対応できるメモリー容量と言えるだろう。本体にはSO-DIMMスロットが2基備わっており、メモリーを交換することで最大32GBまで増設することが可能だ。
画面を描画するGPUには、CPU内蔵の「インテル Iris Xe グラフィックス」が用いられる。従来の「インテル UHD グラフィックス」よりも強化された内蔵GPUなので、グラフィックス面でも少し期待できる部分があるのではと考えるが、果たしてどうだろうか。
では、いくつかの定番ベンチマークを用いて<LAVIE N1575/EA>のパフォーマンスを探っていくことにしよう。
まずはCPUのマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を3DCGのレンダリング速度で測る、定番の「CINEBENCH R23」の結果から。
結果はマルチスコアーが8967pts、シングルスコアーが1665ptsとなった。CPUのコア数と比較してマルチスコアーの伸びが鈍いのは、消費電力制限のキツいモバイル向けCPUの“あるある”と言える。一方でシングルスコアーの結果はかなり高く、これはデスクトップ向けの「Core i9-11900K」や「Ryzen 7 5800X」に匹敵する。
ちなみに、「Ryzen 7 5800U」を搭載した2021年秋冬の最上位モデル<LAVIE N1585/CAL>のCINEBENCH R23のスコアーは、マルチスコアー約8100pts、シングルスコアー約1400ptsというものだった。比較するとマルチスコアーが約10%ほど向上し、シングルスコアーは約19%も向上している。このシングルスレッド性能の向上は、あらゆるアプリケーションの動作を軽快にしてくれるはずだ。
次に、実アプリケーションに近い負荷でパソコン全体の性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2574)を実施した。
総合スコアーは5457で、その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、ウェブブラウジングの性能を測る「Essentials」が9503。表計算や文書作成のオフィスアプリ性能を測る「Productivity」が7402。写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が6271という結果になった。
Essentialsで1万近いスコアーが出ており、普段使いは十分快適に実行できる性能を持っていることが伺える。ProductivityはOpen CL処理がGPUではなくCPUに割り振られていることが原因で、スコアーの伸びが悪くなっている。ほかのテスト項目は悪い結果ではないため、オフィスアプリ系が苦手というわけではないはずだ。
最後のDCCはGPUの性能に大きく影響を受けるテストなので、外部GPUを搭載するノートパソコンやデスクトップパソコンと比較すると劣るスコアーになってしまうのは致し方ないところ。ただ、グラフィックスが強いとされてきた「Ryzen APU」と同程度のスコアーが出るようになったので、インテル Iris Xe グラフィックスの進歩が感じられる。
続いて、3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」(Ver.2.25.8043)を実施。内蔵GPUに対するテストなので、フルHD解像度(1920×1080ドット)のDirectX 11テスト「Fire Strike」、WQHD解像度(2560×1440ドット)のDirectX 12テスト「Time Spy」、内蔵GPU向けテスト「NIGHT RAID」の3つのテストに絞ってベンチマークを行なった。
結果はFire Strikeが4658、Time Spyが1805、NIGHT RAIDが17003という結果に。Fire StrikeとTime Spyで結構低いスコアーが出てしまったことからもわかるように、<LAVIE N1575/EA>でリッチグラフィックスの3Dゲームを遊ぶのはちょっと厳しいと言わざるを得ない。ベンチマーク中のフレームレートも20fps前後に留まっていた。
一方でNIGHT RAIDはなかなか良いスコアーを記録し、ベンチマーク中のフレームレートも80~110fpsを記録していた。
結論から述べると<LAVIE N1575/EA>のグラフィックス性能の場合、スマホアプリベースの軽い3Dゲームであれば十分楽しむことができるようだ。一例として『ウマ娘 プリティダービー』をプレイしてみたところ、ライブ時の3DCGアニメーションもアプリ側のフレームレート上限である30fpsで概ね安定的に再生できた。
もうひとつ『原神』を例に挙げると、画質プリセット「最低」をベースに、フレームレート上限を「60fps」、アンチエイリアスに「FSR 2」を設定することで、概ね60fpsで快適に遊べた。このように軽い3Dゲームであれば、<LAVIE N1575/EA>でも十分遊ぶことが可能だ。
さて最後のベンチマークは、「CrystalDiskMark 8.0.4」を用いて内蔵ストレージの転送速度を計測した。事前に「CrystalDiskInfo 8.12.7」にて内蔵ストレージのモデルを確認したところ、試用機には「KIOXIA XG7シリーズ 512GB」が搭載されていた。PCI Express Gen4接続で512GBのM.2 NVMe SSDだ。
テスト結果はシーケンシャルリードが6398MB/秒、シーケンシャルライトが3788MB/秒となった。PCI Express Gen4接続のM.2 NVMe SSDとしてはミドルハイクラスの性能に位置するだろうか。十二分に高速なストレージ性能で、アプリ起動や動画編集などでその性能を発揮してくれるはずだ。
512GBという容量は一般的な使い方であれば十分な容量のはずだが、動画編集などに使いたい場合は足りなくなる可能性が高い。そういった用途では大容量の外付けHDDやSSDを用意する必要があるだろう。