アドビは10月18日(米国太平洋時間)、同社が主導するコンテンツ認証イニシアチブ(Content Authenticity Initiative、CAI)とニコンのパートナーシップを発表。クリエイティブカンファレンス「Adobe MAX 2022」にて、来歴記録機能を特別に組み込んだミラーレスカメラ「Z9」を参考展示(Z9への本機能の搭載は予定していない)する。
この機能により、フォトグラファーやクリエイターは、いつどこでどのように撮影されたかを含む、画像の来歴情報を撮影時に写真に添付できるようになる。
来歴情報が添付できることで、デジタル作品の信頼性の確立が期待されるだけでなく、利用者が出所や編集履歴を特定できるようにすることで、デジタルコンテンツのライフサイクルの過程で混入しうる誤った情報や虚偽の情報の拡散を防ぐことを目的としている。
コンテンツ認証イニシアチブはアドビが主導し、800以上のパートナー企業・団体がデジタルコンテンツの来歴に関するオープンソースの業界標準を確立し、オンラインコンテンツの信頼性を高めるために活動している。
今回展示される来歴記録機能付きのZ9は、コンテンツ認証イニシアチブとのパートナーシップのもとで作成された規格「Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)」が初めてカメラ機器に実装される取り組みとなる。
コンテンツ認証イニシアチブは、今後も企業とのパートナーシップを通じてC2PA規格の採用を加速させるとともに、無料のオープンソースツールの普及に取り組んでいくという。
また、コンテンツ認証イニシアチブとC2PAの両方に参画した最初のカメラメーカーとなるニコンは、将来製品への搭載に向けて、C2PA 規格に準拠した来歴記録機能の開発を進めているという。