「TikTok creator academy」受講生ノート 第9回
TikTok creator academy 第2期|第9回講義 しんのすけ
動画で『マネタイズする秘訣』─案件動画を受ける方法から注意点まで─
2022年11月21日 11時00分更新
100組のTikTokクリエイターを対象に、3ヵ月で総額約3000万円の制作支援金、さらに人気クリエイターによるセミナーや参加者同士の交流にてノウハウの共有がなされるなど、次世代のTikTokクリエイターを発掘、支援することを目的にしたプログラム「TikTok creator academy」。
本連載では、TikTok creator academy第2期で行われたセミナーの模様をレポート! 第9回のテーマは、「マネタイズの秘訣」。講師を担当してくれたのは、映画紹介クリエイターのしんのすけさん。
*以下記載内容はクリエイター個人の見解であり、TikTokの公式見解ではありません
今回の講座内容は、以下のようなものになっている。
【 第9回講義のまとめ】
・映画紹介を軸に多数の案件を手掛けるしんのすけさん
・マネタイズの方法と現状
・案件をもらうためのファーストステップ
・案件を実施する際に気をつけていること
映画紹介を軸に多数の案件を手掛けるしんのすけさん
第9回目の講師として登壇したクリエイターは「しんのすけ」さん。映画紹介系クリエイターとしてikTokで66万人のフォロワーを持ち(2022年10月現在)、その影響力はビデオ配信サービスのランキングを変動させるほどである。そんなしんのすけさんがセミナーのテーマとしたのは『マネタイズの秘訣』。どうやったらTikTokでお金を稼げるかという誰もが気になる話題を、自身がこれまでに得た知見を交えながらお話された。
数々の映画イベントやムービースターのインタビューも手掛けるしんのすけさんだけに、セミナーは淀みのないスマートな語り口で進行。冒頭から「2022年で月収100万円以上を稼ぎました」という掴みの強さもさすがといったところだが、TikTokを始めたころは投稿動画がお金を生み出すとは考えもしていなかったのだという。
マネタイズの方法と現状
しんのすけさんは最初に、動画制作をお金に変えるマネタイズとはなんぞやという点を解説。主なマネタイズの方法は、以下のスライドにある2種類に大別できるという。
前者のアプリ内で行うマネタイズは、PR動画投稿(いわゆる案件動画)や、企業から依頼されたお題を投稿するように誘導するハッシュタグチャレンジ、企業のアカウントに出演するアンバサダーなどが主な手法となる。
後者のアプリ外の手法はさまざまあり、イベントの出演料やオリジナル商品の販売、サロン運営やオフ会といったファンとの交流でお金を生む方法があるとした。
しんのすけさんが用意した資料(画像参照)によると、インフルエンサーマーケティングの市場規模は年々増加していて、3年後の2025年には723億円規模になるのではという予想もなされているほどに右肩上がりの真っ最中なのだそう。
案件をもらうためには
「最初は数万円規模の収入だった」というしんのすけさんが、TikTokクリエイターを続けていくなかで、どのようにしたら企業案件をもらえるのかについて考えてきたのかを説明していった。
現在のしんのすけさんが念頭においているのは“TikTokと世の中の関係性を常に意識すること”。噛み砕いて説明すると、TikTokが社会からどう見られているかを客観視しつつ、TikTokの中から世の中を見るということを並行してやっていくことなのだという。
広告案件とはつまり、企業と一緒になってユーザーに影響を与えていくのが役割。「この企業はTikTokに対して広告を出すな」「TikTokでこのターゲットを狙っているな」という“使用例”を、自分の中できちんとチェックして分析することが重要だと語る。もちろん、扱うジャンルに関わらずだ。
実際に案件を行う際には「自分が紹介したことでその映画に足を運ぶ人が増える」ことが目的となる。その方法については、ジャンルによって広がり方は異なるので、自分の得意ジャンルを押さえた上で、かつ、ジャンルを問わず“広告がリアル世界にどのような広がり方(=影響力)をしているのか”をつぶさに観察して、感覚を養うことが大事であると教えてくれた。
話は前後するが「企業案件とは何であるのか」についても言及された。広告というモノは新商品が中心。新たな商品が発売されるタイミングで表に出ていられるかが重要だと説明。
案件の多いジャンルとしては、美容がダントツで多く、最近はゲームアプリも多いだろうとしんのすけさんはリサーチ。そして、ニッチなモノであればあるほど絶対数や予算が少なくなってくる。逆に、マスを狙う商品であればあるほど予算は潤沢となり、起用するクリエイターも多くなるというワケだ。
ただし、そうした前提を踏まえつつ“どこのNo.1になるのか”の判断が重要だとも念押しした。前述した美容といった人気ジャンルは当然クリエイターの数は多く競争も激しくなる。一方、ニッチなジャンルならば競う相手が少ないので案件が舞い込んでくる確率もアップするというわけだ。
言い換えれば“どこの山で目立てるか”が大事ということ。しんのすけさんは友人の話を引き合いに、「競技人口が100人ならば、始めた瞬間に世界大会に出られる」と説明。ナンバーワンを目指すのが茨の道なら、どうやって自分のバリューを生かしたオンリーワンになるかを目指すのがキモ。フォロワー数よりも唯一性が大事だと説いた。
しんのすけさんは自身のバリューを“新しもの好き”であることなのだと定義。映画をメインとしつつも、マンガやガジェット、ゲームやエンタメに関するさまざまな新商品について紹介をしていることで、フォロワーや案件の幅が広がっているのだとした。
より具体的には、自分の得意なジャンルを2、3持つようにした上で“そのジャンルのトレンドをTikTokに持ち込む”ことが重要なのだとしんのすけさんは力を込めた。
具体的には「このジャンルが好きなら誰でも知っているような最新のトレンドをTikTokの動画の中に持ち込む」ことだという。しんのすけさんの場合なら有名アクション映画シリーズの新作映画が準備中だ」といった映画好きならば当たり前に知っていることを動画に入れることで、“ジャンル外”の人に興味を持たせることが重要なのだという。その際には、コアになりすぎないバランス感覚も必要となるので、前述したような分析でその力を養っていくことも大事だとした。
そして企業案件を得るための秘訣は“頼まれる前にやれ”というキーワードで解説した。
しんのすけさんの場合、いつもの投稿動画であっても、企業案件の動画であっても、その構成はほとんど同じ。それがあることで「この人に案件を頼むとどんな動画になるか」というイメージされやすいのだという。同様に、自身が顔出しをして話す動画があることでクライアントや代理店に対してキャスティングイメージが付きやすいのだと説明。普段は顔出し動画を投稿していない場合も、自分のジャンルを軸にしつつ方向性を“増やす”感覚で臨んでみることがお勧めだという。
案件を実施する際に気をつけたいこと
案件の依頼が来た際に、しんのすけさんがどう対応しているかの解説もした。アイデアを最低2つ提出すること、そして参考用に自分の過去の投稿を見せることを実践しているのだそう。
ちなみにしんのすけさんの場合、自分が嫌いな、あるいはつまらない作品の案件が来た場合でも、よほど嫌な仕事でなければ「一度は引き受ける」ことにしているのだという。案件をこなすことでの実績を積み上げた上で、「嫌だったら次回から断わればいい」と語った。
TikTokアプリ外での稼ぎ方についても解説された。もっとも重要なのは、ジャンルによって得意/不得意なプラットフォームが異なるということ。他のプラットフォームを並行して使うことでユーザーへの影響力を高めることができ、逆に「TikTokで●●のジャンルを宣伝するならこのクリエイターだ」というブランディングにもなるという。
しんのすけさんは講義のまとめとして「自分の強みを見つけ、自分の強みを育て、自分の強みを社会とつなげることがお金になる!」と説明。どれだけそのジャンルに精通していても、社会とつなげるノウハウがなければなにも生み出せない。TikTokの内と外、両方を見られる視野の広さとバランス感覚が大事だとしてセミナーを終えた。
本連載では、今後もTikTok creator academy 第2期で行われた講座内容を紹介していく予定だ。次回もお楽しみに!
TikTok creator academyとは?
TikTok creator academyとは、次世代のTikTokクリエイターを発掘、支援することを目的にしたプログラムです。直近ではTikTok creator academy第2期が2022年7月~9月で実施されました。TikTok creator academyでは、応募者の中から選ばれた約100組のクリエイターに、TikTokより制作支援金として約10万円x 3ヵ月が支援されます。また、参加者には特別なプログラムとして、クリエイター同士の交流促進となるサポートや、特別なワークショップやセミナーを通して、動画の制作方法やフォロワー数を伸ばすためのコンテンツ戦略について学ぶ機会が与えられます。
【TikTok creator academy プログラム内容や特典の紹介】
[ 1 ] 約10万円 x 3ヵ月の制作支援金
[ 2 ] 豪華講師陣によるセミナーへの参加(7月~9月の間に2回ほど実施)
[ 3 ] 毎週行われるセミナー/交流会への参加(平日月、水、金いずれかの7pmから開催予定)
[ 4 ] 同期クリエイター同士で交流が出来るコミュニティへの招待・参加
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