WHILL Model S
先行受注開始 2022年9月13日(11月以降納車開始)
実売価格 税抜き21万8000円〜
WHILL
https://whill.inc/jp/news/120138
本命シニアカー登場。スタイリッシュな電動車椅子で知られるWHILLが9月13日、歩道を走れるモビリティ「WHILL Model S」を発表しました。実売価格は21万8000円から。最高時速は前進6km、後退2km、航続距離は33km。
標準仕様からミラーやアームレスト、杖ホルダーなどを省き、スタイリッシュかつ安めの価格設定にしているのが特徴(オプションで販売予定)。「歩道を走れるスクーター」と位置づけ、いわゆるアクティブシニア向けに販売します。
特に免許返納後のユーザーを意識し、随所で自動車らしさを意識しています。
コントローラーはバイクや自動車のハンドルを意識したデザイン。中央レバーを引くと加速して、離すと減速します。右側の「D」で前進し、左側の「R」で後退です。バッテリー残量表示はガソリン車同様に「E」と「F」で表示。最高速度はエンジン回転数をイメージしたというつまみで調整するようになっています。
電源はイグニッションキーのような物理キーをカチッとひねる形。
これまでのシニアカーは「前進」「後退」などの漢字表記があるなど、わかりやすい一方「ちょっと老けこんでしまったな」という印象があるという声が寄せられたと言い、クルマから乗り換えてもテンションが上がることを意識しています。
前面にはLEDライト、背面にはテールランプを装備。LEDライトはハンドル脇のボタンでオン/オフします。
バッテリーは鉛電池(12V×2)、充電時間は標準9時間40分(急速6時間40分)。充電ケーブルをつなげるポートはハンドル下とシート下の2ヵ所についています。ハンドル下は腰をかがめなくていいので接続がラクです。
バッテリーを外して充電することもできますが、シートを外してから約15kgのバッテリーを持ち上げる必要があり、車体にバッテリーを搭載したままケーブルをつないで充電するのが現実的です。屋外の場合は濡れない場所で充電する必要があります。
登坂能力は10度で、7.5cmの段差を乗り越え可能。会場にはスロープが設けられていましたが、スロープがなくても乗り越えていけます。
前かごの耐加重は4.0kg。紙パック6個分が隠れるくらいのサイズで、やや小ぶりです。オプションでハンドル下にフック(耐加重1kg)をつけることもできます。
サイズは全長119×全幅55.3×92cm、重量は63kg。ロックを解除すれば、軽い力で移動させることもできます。
カラーは、アイコニックホワイト、シルキーブロンズ、ガーネットレッド、ラピスブルーの全4色(アイコニックホワイト以外は1万5000円の差額)。クルマのカラーリングを思わせるカラー名称にしています。
WHILL Premium Care(年額2万6440円)に加入すると、保険、ロードサービス、メディカルアシストを兼ねる「WHILL Smart Care」サービスと、機体の位置情報の確認、外出履歴の記録、家族への情報通知ができるアプリ「WHILL Family App」が使えるようになります。モビリティ単位で見守りができるわけですね。
実際に試乗してみると、時速6kmといっても予想より速いことに驚きました。大人の早足程度で、混雑した商店街などでは遅めの速度にしたほうがいいなと感じました。レバーの握りの強弱で速度調整はできますが、基本的にはつまみで設定した最高速度で走ることになります。最小回転半径が小さく、小回りはよく利きます。
何よりそそられたのはかっこよさでした。最近個人的に電動原付を買ったのですが、決め手になったのはやっぱり外観です。せっかく電動モビリティを買うなら未来を買うくらいの気持ちが欲しいじゃないですか。標準仕様は丸裸で必要に応じてオプションを追加するという設計も気に入りました。
ただ、重量は63kgで軽めとはいえ、最高速度で接触するとそれなりの衝撃があります。免許返納後の高齢者が乗ることを想定しているとなれば、判断の遅れや操作ミスなどがあってもおかしくありません。保険などサポートを充実させる一方、今後は自動ブレーキなどのアシスト機能も充実していくといいなと感じました。
選択肢が増えてくれるのは楽しいですね。テンションが上がる乗りものがあると生活の張りになりそうです。近所のイオンでWHILL Model Sとすれちがうことがあるかもしれません。68歳になる親にも教えておきましょうかね。