8月10日にサムスン電子は「Galaxy Unpacked 2022」をニューヨークで開催した。折りたたみ型スマートフォン市場で世界をリードするサムスンが今回の新製品でどのようなユーザー体験を提供するのか。イベントではサムスンの社長兼モバイルエクスペリエンス(MX)事業部の責任者、Dr.TM Rohが登壇し、新時代の製品を自信ありげに発表した。
サムスンは業界に先駆けておりたたみスマートフォンの開発を開始し、2019年に発売した初代モデル「Galaxy Fold」から数えて、今回は第4世代となる製品を投入する。サムスンはすでに1000万台のおりたたみスマートフォンを出荷しており、この市場のマーケットリーダーとなっている。
Flex Modeでカジュアルに使える
「Galaxy Z Flip4」
最初に紹介したのは縦折り式の「Galaxy Z Flip4」。前モデルでユーザーに好評だった機能を大きく強化し、究極の自己表現ツールを目指したモデルとなる。縦に折りたたむことで手のひらにすっぽりと収まるクラムシェルデザインは、ほかのスマートフォンにはない様々なユーザー体験を提供できる。
中でも今回大きくアピールされたのは本体を折り曲げた状態で使うFlex Mode機能。この状態でカメラを使うFlexCamは、カメラアプリを起動して、本体を曲げると上半分側にプレビュー、下半分側に操作パネルが現れる。そのまま机の上に置けば三脚不要で撮影も可能になるし、フリップの角度は自由に変えられる。スマートフォンカメラの新しい撮影体験を提供してくれる。
FlexCamは動画でも利用でき、横向きに持てばハンディカムのように持ちやすいスタイルで撮影もできる。動く被写体を追いかけるときなどもしっかりと本体を握るため落としにくい。
カメラは夜景撮影性能(Nightograpy)も大きく強化された。NPU性能がアップしたことで、写真のみならず動画の夜景モード撮影時の処理速度が高速になった。メインカメラにはOISも搭載し手振れにも強い。Galaxy S22シリーズでも夜景撮影性能は高められており、サムスンのフラッグシップモデルは夜の撮影の強さも大きな強みとなっている。
新たにMetaとのパートナーシップにより、Instagram、WhatsApp、FacebookなどのサードパーティーアプリでもFlexCamの2分割UIが利用できるようになった。アプリを起動後本体を曲げ、そのまま撮影ができる。SNSをより楽しく活用できる機能だ。
カバーディスプレーもカメラ周りの性能を高めた。メインカメラで自撮りができるため、高画質なセルフィー撮影が可能だ。またこれまではカバーディスプレーでのプレビューは拡大表示となっていたが、Galaxy Z Flip4では実際の写真の構図を見ることができる。さらに閉じたままクイックモードでビデオ撮影を開始し、そのまま本体を開いてFlex Modeへ移行できる。たとえば片手で動画を撮りながら、途中から本体を開いて机の上に置いて動画を切れることなく撮影できる。
ほかにも閉じたままの電話の発信やメッセージの返信、壁紙に動画を表示するなど、コンパクトな形状を生かした機能が強化されている。
本体サイズは前モデルとほとんど変わっていないものの、ヒンジ部分の構造をより小型化したことでスペースを生み出し、バッテリー容量は3700mAhに増量された。急速充電では30分で50%の充電も可能になる。本体は金属フレームに背面もガラスでカバーしており、直線的なエッジデザインは洗練されている。
本体カラーはBora Purple、Graphite、Blue、Pink Goldの4色。一部の国ではサムスンのデザイン家電「BESPOKE」同様に、パネルなどをカスタムで組み合わせてオーダーメードできる「BESPOKE Edition」も販売される。
「Galaxy Z Flip4」の主なスペック | |
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メーカー | サムスン電子 |
ディスプレー | 6.7型有機EL(22:9) 1.9型(閉じた状態) |
画面解像度 | 2640×1080ドット |
サイズ | 約165.2×71.9×6.9mm /約84.9×71.9×15.9mm(最厚部17.1mm) |
重量 | 約187g |
CPU | Snapdragon 8+ Gen 1 |
メモリー | 8GB |
内蔵ストレージ | 128/256/512GB |
カメラ画素数 | アウト:1200万画素+1200万画素(超広角) イン:1000万画素 |
バッテリー容量 | 3700mAh |
カラバリ | Bora Purple、Blue、Pink Gold、Graphite |