グーグルが同社サイト上に掲載したメッセージ、「It's time for Apple to fix texting.」(アップルはテキストメッセージを修正するときが来た)が話題になっている(https://www.android.com/get-the-message/)。
これは主にiPhone/iPadにおけるiMessage(メッセージアプリ)についての問題。Android端末向けメッセージアプリのエンジニアリングチームを率いる、グーグルのElmar Weber氏がブログ投稿で説明している(https://blog.google/inside-google/googlers/ask-a-techspert/messages-rcs/)。
iPhoneのメッセージアプリではAndroidユーザーは仲間外れ?
アップルが業界標準を採用することを望む
iMessageでは、アップル製デバイス間では独自のプロトコルを用いて、テキストや写真などを暗号化し、メッセージのやり取りができるようになっている。また、他のOSとの間ではSMS/MMSによって、メッセージ交換が可能だ。その際、iMessageとの間では青い吹き出しで表示されるのに対し、SMS/MMSでは緑で表示されるため、違いが一目でわかるようになっている。
ただ、これは単に吹き出しの色の問題ではないとする。SMS/MMSはケータイ時代から活用されていた仕組みだが、その後、スマートフォンでのメッセージングアプリは絵文字によるレスポンスや、相手が文字入力中であることがわかるタイピングインジケーターなど大きな進化を遂げてきた。しかし、SMS/MMSを用いるiPhoneユーザーとAndroidユーザーとの間ではこうした機能を利用できない。
こうした機能不足は、写真や動画のサイズ制限、暗号化、開封確認などにも及ぶ。また前述のサイト内では、ウォールストリートジャーナルの記事(「10代の若者は緑色の吹き出しを恐れる」、https://webreprints.djreprints.com/2327403.html)の記事にリンクして、iMessage/アップル側に問題があることを示唆する。
Weber氏は、この状況について、より新しいメッセージングの業界標準である「RCS(Rich Communication Services)」を用いることで、解決できると主張する。AndroidはRCSをサポートしているが、iPhoneはサポートしていないため、iPhoneユーザーにとってはAndroidユーザーとのグループチャットが時代遅れに感じられるとし、iPhoneでもRCSをサポートすることを「I hope so!(そうなるといいね!)」とした。
日本国内では若年層ほどiPhoneユーザーの割合が高くなる傾向が見られるが、米国でも同様だ。メッセージングアプリについては日本国内ではLINEなどの他社製アプリが主流のため、この点ではあまり問題になっていないが、AirDropなどでAndroidユーザーがiPhoneユーザーの輪に加わりにくいケースがある。今回のアピールで、アップルがすぐにRCSを採用するとは考えにくいが、どういう反響を呼ぶかは注目を集めそうだ。