日本市場に吹く追い風――円安、SIMロック解除など
まずは高くなりすぎたスマホの反動として広がるか
欧米と同じような流れが日本でも始まっているというのがJerome氏の見立てで、2023年は2022年の3倍の売り上げを目標としている。現在、日本市場では約25社のリファーブリッシュ事業者と契約している。
日本独自の追い風も吹いている。まずは円安。7月1日にAppleはiPhoneをはじめとした価格を改定(値上げ)しているが、新品の価格が高くなるほどリファーブリッシュ品の関心が高まるとする。
価格の問題だけではなく、ここ数年の部品不足から、そもそも製品自体が手に入りにくいという状況も世界では出てきている。そういった状況もリファーブリッシュ品に関心が向くきっかけとなる。
これに加え、iPhone人気の高さ、2021年10月から実施されているSIMロックの原則禁止など規制側の動きもあり、日本市場を強化するという。
MMD研究所が2022年4月に行った中古スマホに関する調査では(https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2066.html)、修理とリファーブリッシュを含む中古スマホの所有者は11.6%、これは2020年の2倍とのこと。購入理由はやはり価格がダントツ。上位14の購入理由に「環境」は入っていない。
ちなみに、購入先は「キャリアのオンラインサイト」(認定リユース品)、「ハードオフ」「ブックオフ」がトップ3となっている。こうした競合に食い込む必要があるが、Back Marketでは定価の30~70%という価格、高品質、保証(12ヶ月の動作保証、30日間の全額返金保証)などを差別化に展開していくとのことだ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
この連載の記事
-
第342回
スマホ
AR/VRの長すぎる黎明期 「Apple Vision Pro」登場から6ヵ月、2024年Q1は市場はマイナス成長 -
第341回
スマホ
世界で広がる学校でスマホを禁止する動き スマホを使わない時間を子供が持つことに意味がある? -
第340回
スマホ
対米関係悪化後も米国のトップ大学や研究機関に支援を続けるファーウェイの巧みな戦略 -
第339回
スマホ
ビールのハイネケンが“退屈”な折りたたみケータイを提供 Z世代のレトロブームでケータイが人気になる!? -
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? - この連載の一覧へ