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楽天、モバイルでの赤字はピーク越え 2023年中にカバー率99%で地方のユーザー獲得も

2022年08月10日 16時55分更新

文● オカモト/ASCII

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 楽天グループは、2022年12月期第2四半期決算説明会を開催。引き続き、楽天モバイルでのローミング費用・設備投資が大きな負担となっているものの、2023年中の4G人口カバー率を99%超を目指すとともに、今秋の無料終了によるARPU上昇を見込むなど、継続的な損益改善を予定している。

EC事業や金融事業は好調
契約数は20万強の減少も、今後のモバイル事業は改善を見込む

 同社2022年12月期第2四半期(2022年1~6月)の売上高は8935億円と、前年同期比で12.6%増。一方で営業利益はマイナス1970億円にまで拡大している。

 その中でも、国内EC事業や金融事業はともに好調。ECでは楽天トラベルがコロナ禍にあっても2020年初頭のレベルに、楽天西友ネットスーパーは新規に立ち上げた専用の物流センターが成長を牽引しているとした。金融事業、特に楽天カードは取扱高が前年同期比で28.8%増、発行枚数は2669万枚と3000万枚が見えてきたと語る。

 課題となるモバイル事業においては、まずはコスト構造での強味を強調した。楽天モバイルは、データ無制限のサービスを3278円で利用できる点が最大の魅力だが、この価格優位性を支えるのが完全仮想化ネットワークによるコスト削減。従来型の携帯ネットワークと比べて、CAPEX(設備コスト)で40%、OPEX(運営コスト)で30%を減らせているとする。

 品質面でも、調査会社のデータを引き合いに海外の主要都市との比較で引けを取らないものとし、バンド的にどうしても弱い屋内については、引き続きスモールセル「Rakuten Casa」の設置(6月時点で約8.5万台)、高層ビルに対するビル外からの電波発射で対策。地下鉄は都内については95%以上対応済みで、容量拡大も来春以降実施予定。

 基地局数は、6月時点で4Gで4万7556まで達しており、2023年中に6万オーバーになるとともに、人口カバー率を99%オーバーを目指す。また、基地局建設にともなう設備投資額も2022年をピークに減少を見込んでいる。

 人口カバー率の拡大とともに地方でのマーケティングも強化する。23区内では人口あたりの申込率は9.4%だが、この割合を全国で達成することができれば、約1200万人の契約数を見込め、この契約数に達すれば楽天市場の流通総額は15%アップと相乗効果の大きさをアピールした。なお、契約者数については2022年3月時点で568万だったのが、6月末で546万と20万以上の減少。ただし、解約者については7月以降減少傾向にあり、逆に実際に料金を支払っているユーザーは純増しているとした。

 

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