神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)、横浜国立大学、慶應義塾大学の研究グループは、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用する吸入薬の吸入方法を評価するモニター機器を開発した。吸入薬は正しく吸入できれば有効な治療法だが、半数以上の患者が不適切な使い方によって薬剤を満足に吸入できていないとされる。
神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)、横浜国立大学、慶應義塾大学の研究グループは、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用する吸入薬の吸入方法を評価するモニター機器を開発した。吸入薬は正しく吸入できれば有効な治療法だが、半数以上の患者が不適切な使い方によって薬剤を満足に吸入できていないとされる。 機器は慣性計測装置で、吸入薬の容器の蓋が開いていることや、口に当てて吸入するときの容器の傾きを検知する構造になっている。患者の吸入薬の吸入方法をモニタリングし、正しい使用法に導くという。 入院患者を対象とした臨床試験を実施し、有用性を検証したところ、機器による検知結果と薬剤師の目視による吸入手技の判別結果が一致したという。今後は他の種類のセンサーを組み合わせて判別精度を向上させたり、エラー判定機能を付け加えたりして、機器の有用性を高めていくとしている。 研究成果は6月5日、IEEE/ASMEトランザクションズ・オン・メカトロニクス(IEEE/ASME Transactions on Mechatronics)誌にオンライン掲載された。(笹田)