北海道大学とNECソリューションイノベータの研究グループは、新型コロナウイルスに結合する人工DNAアプタマーを開発した。新型コロナウイルスに特異的に結合し、空間中のウイルスの有無を検知するバイオセンサーなどとして利用できる可能性があるという。
北海道大学とNECソリューションイノベータの研究グループは、新型コロナウイルスに結合する人工DNAアプタマーを開発した。新型コロナウイルスに特異的に結合し、空間中のウイルスの有無を検知するバイオセンサーなどとして利用できる可能性があるという。 研究グループは、新型コロナウイルス表面にあるSタンパク質の受容体結合部位(RBD:Receptor Binding Domain)を標的としたアプタマーを作成。新型コロナウイルスのオリジナル株だけでなく、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株といった変異種も使用して、アプタマーとの結合試験を実施した。 その結果、アプタマーは各株に結合し、検出できることを確認したという。加えて、オミクロン株BA.1やBA.2にも結合した。一方でヒトコロナウイルスのRBDやインフルエンザウイルスのHAタンパク質との結合は確認できなかった。この結果、開発したアプタマーは新型コロナウイルスを特異的に幅広く検出できる可能性があることが分かった。 研究成果は5月2日、「バイオメカニカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)」誌にオンライン掲載された。(笹田)