京都大学などの研究チームは、マウスを用いて皮膚老化の新規メカニズムの一端を解明。加齢による真皮の硬化が表皮幹細胞の機能低下の一端となること、さらに真皮の硬化は体表血管の減少によって誘導されることを明らかにした。
京都大学などの研究チームは、マウスを用いて皮膚老化の新規メカニズムの一端を解明。加齢による真皮の硬化が表皮幹細胞の機能低下の一端となること、さらに真皮の硬化は体表血管の減少によって誘導されることを明らかにした。 研究チームは、若齢、高齢マウス足底部表皮の違いに着目し、両者の違いについて検討。高齢マウスの表皮幹細胞では、若齢マウスよりも真皮が硬くなっており、表皮幹細胞の機能低下の一端となっていることを見い出した。次に、加齢による真皮硬化の原因を探った結果、加齢マウスでは真皮の血管が減少していることを発見。遺伝子改変マウスを用いて人為的に血管を増加させると、加齢に伴う真皮の硬化が抑制され、表皮幹細胞の加齢変容も抑制されることが分かった。 皮膚は外界から体内を守るバリアとして機能する重要な組織である。皮膚のバリア機能の維持には表皮の新陳代謝が必須であり、これには表皮幹細胞の増殖と分化の制御機構が要となる。加齢によって表皮幹細胞の機能は低下するが、原因はよく分かっていない。 研究論文は、2022年7月11日付けで、国際学術誌ネイチャー・エイジング(Nature Aging)にオンライン掲載された。(中條)