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仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第41回

ローコードでWebサイトを作成できる「Power Pages」

2022年07月21日 09時00分更新

文● 阿久津良和(Cactus) 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回は「Microsoft Power Pages(以下、Power Pages)」に注目した。

「Microsoft Power Pages」を活用すればワープロ感覚でWebサイトが作れる

 ご存じのとおりWebページはHTMLとCSS、そして多数のバックグラウンドサービスで実現している。昔はテキストエディターでHTML/CSSを書いていたが、その後はWebページを逐一表示するWYSIWYGツールが登場した(Microsoftも「Microsoft FrontPage」をリリースしている)。筆者は途中からWebページ作成を止めたため、その後の経緯は詳しくないが、既報のとおりMicrosoftはBuild 2022で、既存の「Power Appsポータル」をPower Pagesへと進化させた。Power AppsポータルはMicrosoft Power Appsのフロントエンド作成ツールという印象が強かったものの、Power PagesはローコードのアプローチでWebサイトを構築するツールへと進みつつある。同社の説明によればテンプレートを活用し、会議予約などビジネスシーンに沿ったWebページを誰しもが作成できるという。

Webコンテンツはデザインスタジオから直接編集可能

 当然Power PagesはMicrosoft Power Platformファミリーのため、Microsoftの各機能を利用できる。たとえば社外の業者と取り引きを行なうためのWebサイトは、アクセスした相手を明確にするユーザー認証が欠かせない。だが、Power PagesならAzure AD(Active Directory)やAzure AD B2C、Googleや各種SNSをIDプロバイダーとして指定するだけで済む。

複数のテンプレートからページデザインを選択できる

 Webサイト経由でデータを蓄積する場合も、Microsoft Power Platformの中核データベースであるMicrosoft Dataverseを利用できる。他にもPower Automateと連携した自動化、筆者は未確認だがWindows PowerShellによるPower Pages環境へのアクセスや、Visual Studio Codeで直接ファイル編集も可能なようだ。

テンプレートページをスマートフォンでプレビュー中

 他にもスマートフォンやタブレットのリアルタイム表示や、PWA(プログレッシブWebアプリ)の利用も予定されているが、Power Pagesが広く浸透まるか否かは、どれだけ具体的なテンプレートを用意できるかだろう。本稿執筆時点では一般的なビジネスサイト、会議スケジュールサイト、放課後プログラムの登録サイトがテンプレートとして用意されており、Webページの編集はワープロ感覚で行なえる。だが、複雑な操作を行なうにはPower Appsの併用が必要だ。このあたりを知識を持たないユーザーでも気軽に利用できるコンポーネントを多数用意すれば、Web作成のハードルも下がるだろう。

 学習コンテンツも用意され、プレビュー版で誰でも試せるので、関心をお持ちの方は一度挑戦してほしい。

Power Pagesはプレビュー版として利用可能

学習コンテンツが並ぶ「ラーニングハブ」

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