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3Dプリントでナトリウムイオン電池を高容量化、従来比4倍

2022年07月15日 06時30分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東北大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、ジョンズホプキンス大学の研究グループは、3Dプリント技術で作成した負極を使って、ナトリウムイオン電池の大容量化に成功した。

東北大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、ジョンズホプキンス大学の研究グループは、3Dプリント技術で作成した負極を使って、ナトリウムイオン電池の大容量化に成功した。 蓄電池として現在最も普及しているリチウムイオン電池は、リチウムやコバルトなどの日本では入手が難しい素材を使っている。一方、ナトリウムイオン電池は海水中に豊富な資源を利用できるため、海に囲まれた日本にとっては確保しやすい。ただ、現段階でナトリウムイオン電池はエネルギー密度、出力密度の両面でリチウムイオン電池に劣り、さらなる研究開発が必要だ。 研究グループは、負極の原型を光造形3Dプリンターで作成した。ジャングルジムのように連続的な3次元構造を持つ光硬化性樹脂の構造物で、これを真空条件で1000℃の高温をかけて熱処理すると、構造を維持したまま60%収縮し、100〜300μmの構造単位を保った「カーボンマイクロラティス」が得られる。これをナトリウムイオン電池の負極として使用した。 検証の結果、構造単位が微細になればなるほど充放電特性が向上し、最も緻密な構造を持つマイクロラティスは、従来使われている粉末ペレット電極に比べて単位面積当たりの容量を4倍まで高めることができたという。 研究成果は6月20日、「スモール(Small)」誌にオンライン掲載された。今後、数値シミュレーションで周期構造を最適化したり、陽極でもマイクロラティスを利用したりすることで、リチウムイオン電池並みのナトリウムイオン電池の開発につなげたい考えだ。

(笹田)

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