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早稲田大など、回転円盤銀河が誕生する最初期段階を観測

2022年07月05日 06時34分更新

文● MIT Technology Review Japan

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早稲田大学、筑波大学、国立天文台、四国学院大学の共同観測チームは、132.8億光年かなたの銀河「MACS1149-JD1」が回転している兆候を発見した。これまでに見つかった中で最遠方の回転円盤銀河であり、その回転運動はまだ弱々しく、回転円盤銀河が誕生した最初期段階を捉えたと考えられるという。

早稲田大学、筑波大学、国立天文台、四国学院大学の共同観測チームは、132.8億光年かなたの銀河「MACS1149-JD1」が回転している兆候を発見した。これまでに見つかった中で最遠方の回転円盤銀河であり、その回転運動はまだ弱々しく、回転円盤銀河が誕生した最初期段階を捉えたと考えられるという。 観測には、チリ・アタカマ砂漠に建設された大型電波干渉計である「アルマ(ALMA:Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)望遠鏡」を用いた。アルマ望遠鏡は、直径12メートルと7メートルの電波受信アンテナを最大で66台組み合わせた望遠鏡で、アンテナの配置を変えることができる。 研究チームは、アンテナ配置を最大で直径2.5キロメートルにまで広げ、空間分解能をこれまでの2.5倍高めた観測を2018年の10月から12月にかけて実施した。さらに、観測結果から回転速度などさまざまな物理量を導出するために、回転円盤数値モデルを独自に作成。MACS1149-JD1の回転速度が秒速50キロメートルほどであり、同銀河より後の時代の銀河や銀河系の回転運動に比べて遅いことを突き止めた。そのため、今回の成果は銀河の回転運動が発達していく始まりを捉えたと考えられる。 我々が住む天の川銀河(銀河系)は円盤状の構造を持ち、円盤の回転速度は秒速220キロメートルあり、この猛烈な速さによる遠心力と重力がつりあって形を保っている。最初期の銀河が回転運動をしているのかどうか調べることは、銀河の形成過程の理解にとって重要な知見になるという。 今回の研究成果は、米国天文学会発行のアストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)に、2022年7月1日付けでにオンラインで掲載された

(中條)

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