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「富岳」で核燃焼プラズマの閉じ込め改善効果を発見=名大など

2022年06月14日 06時19分更新

文● MIT Technology Review Japan

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名古屋大学、核融合科学研究所、日本原子力研究開発機構、京都大学の共同研究チームは、スーパーコンピューター「富岳」を用いた大規模な乱流シミュレーションにより、「マルチスケール相互作用」による核燃焼プラズマの閉じ込め改善効果を発見した。核燃焼プラズマ(高温・高密度状態で核融合反応を起こしているプラズマ)での新たな閉じ込め改善効果を予見する今回の発見は、将来の核燃焼実験や磁場閉じ込め型核融合炉開発へ役立ちそうだ。

名古屋大学、核融合科学研究所、日本原子力研究開発機構、京都大学の共同研究チームは、スーパーコンピューター「富岳」を用いた大規模な乱流シミュレーションにより、「マルチスケール相互作用」による核燃焼プラズマの閉じ込め改善効果を発見した。核燃焼プラズマ(高温・高密度状態で核融合反応を起こしているプラズマ)での新たな閉じ込め改善効果を予見する今回の発見は、将来の核燃焼実験や磁場閉じ込め型核融合炉開発へ役立ちそうだ。 研究チームは、電子が作る極微細な乱流が、イオンが作る乱流に影響を与えるマルチスケール相互作用を世界に先駆けて指摘。今回の研究では、核燃焼プラズマにおいて働きうる、電子の作る極微細な乱流とイオンが作る乱流のマルチスケール相互作用を特定した。マルチスケール相互作用は、時間の長さや空間の大きさが異なる現象の間に生じる相互作用であり、米欧の実験装置でも検証が進められてきた。 磁場閉じ込め型核融合炉は、1億度超の高温・高圧のプラズマを強力な磁場により閉じ込め、核融合反応エネルギーを取り出そうという試みで、国際協力の下で盛んに開発が進められている。その中で、閉じ込め性能を左右するプラズマ乱流の物理機構解明は重要な研究課題となっている。 今回の研究成果は、2022年6月7日付けで、英国の科学雑誌、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された

(中條)

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