保護者やOBOGから高い評価を得ている
「UNIVAS」は、2016年のスポーツ庁による「大学スポーツの振興に関する検討会議」を契機に設立された団体だ。当時、大学スポーツは課外活動の一環という位置付けで、統括的組織はなく、各学生連盟が主体となり活動している状況だった。そこで、大学スポーツ振興を目的に「UNIVAS」が設立された。
「UNIVAS」広報部の山田一成氏によると、当時設けられたカリキュラムは、「運動部学生のデュアルキャリア形成」「安全で安心なスポーツ環境の整備」「大学スポーツの価値向上」という3つで構成されていた。このうち、「大学スポーツの価値向上」の一環として、多くの人々に大学スポーツの魅力を発信するため映像配信を行うことになり、「UNIVAS」公式ホームページでのライブ配信がスタートしたという。その後、より手軽かつ幅広い層に大学スポーツに親しんでもらおうということで、2021年9月にアプリをリリースすることになったとのこと。
コロナ禍ということで大会自体が開かれない、無観客で行われるなど、保護者やOB・OGが観戦できない状況の中でのリリースとなったが、「試合がリアルタイムで楽しめる」「アーカイブ配信は非常に助かる」という声が多く寄せられているという。
今後はインタラクティブな展開を目指す
今後について、山田氏は「大会がある時期はライブ配信ができるが、大会が開かれないシーズンは利用度が減る。ここでどんなコンテンツを配信するかが課題」と話す。既にベストプレー集や優勝大学のハイライト動画などの配信をおこなっており、今回の「運動部動画投稿サービス」が新たな楽しみを生むと期待されている。他にもユーザーが飽きないようなコンテンツの展開を検討しているという。
また、現在はユーザーに動画を届けるという、一方通行の形のため、よりインタラクティブに、ユーザーとつながる何かを設けることも考えているとのこと。例えば、ユーザーからの評価システムや、マルチアングルでの配信などが挙げられる。もし実現すれば、これまで以上に大学スポーツが楽しめるようになるだろう。
大学スポーツの場合、オリンピックなど大きな大会で活躍した選手がどうしてもクローズアップされる。しかし、「UNIVAS Plus」で大学スポーツを網羅的に配信し、魅力的な選手や競技を発信していけば、ファンも着実に増えるだろう。まだアプリ配信から半年だが、すでに高い評価を得ている。今後の展開に期待したい。