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業務を変えるkintoneユーザー事例 第135回

kintone導入8年目のてこ入れで実った効率化と時短

二度手間、三度手間をなくして時短 奥羽興産が取り組んだ不動産業界の業務改善

2022年06月16日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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 3つ目が、LINEとkintoneの連携。奥羽興産が顧客とのやり取りで使っているコミュニケーションツールがLINEだったのだ。物件のちょっとしたやりとりや資料の送付はLINEを使っており、kintoneへの転記作業が発生していた。当然、現場からはLINEと連携できるシステムを使いたいという声が上がってくる。

「NON BIN BEANさんに支援していただき、顧客管理のレコードの中から、直接お客さまにLINEが送れるようになりました。LINEの履歴は関連レコードで確認できるようにしました」(河邉氏)

kintoneのレコードからLINEを送信できるようにカスタマイズした

 これら3つの取り組みのおかげで、1回5分かかっていたアンケートの転記作業と、1回1時間かかる週1回の資料作成、毎日30分ほどの顧客とのやりとりを転記する作業のすべてがなくなった。営業1人当たりに換算すると、月間で16時間、年間で192時間もの削減が実現した。グラフでデータを可視化するようになったことで、現場から意見をもらえるようになったという効果もあったそう。

大幅な業務改善を実現できた

IT未経験者でも、kintoneなら業務改善に取り組める

 kintoneを運用するポイントも3つあるという。1つ目が、アプリの完成を100%を目指さないということ。現場に使ってもらいながら、改良を重ねていくことが重要だ。

 2つ目が、システムが課題を解決できるのか、よく考えること。話をよく聞くと、そのままではkintoneを適用できず、業務フローの見直しが必要な場合もある。そこを観察するのがポイントだという。

 3つ目は、なぜその項目に入力しなければならないのかを現場でkintoneを使う社員にしっかり伝えるということ。腹落ちしてもらうことで、kintoneの活用度が向上するというわけだ。

kintoneを使ううえで注意するべき3つのポイントがある

 河邉氏は趣味である吹奏楽の練習に参加しているのだが、定時が17時半で練習が18時から。本来、急げば間に合うが、業務が押して遅れることも多々あった。しかし、周囲を見ると、他の社員も別のことに時間を使いたいとか、別の仕事をしたい、と思っていることに気がついたそう。

 そこで、河邉氏はkintoneを活用して、奥羽興産をもっと働きやすい会社にしたいと考えた。その結果、社内のkintone活用が進んでくると、社長が外で「うちのシステムが便利になったんだよね」と他の会社に自慢していたという。すると、他社から「うちでも使いたい」とか「どんなシステムか見せて欲しい」と言われるようになった。

「正直、これには私もびっくりしました。奥羽興産をよくしたいとやっていたことが、不動産業界をよくできるのではないか、と考えました。不動産業界は残業が多そうとか、IT化が遅れているとか、ネガティブなイメージがありますが、それを変えたいと思いました」(河邉氏)

 自分でも大それたことを言いすぎなのではと思っていたのだが、去年のkintone Awardの2021に参加して考えが変わった。同じような志を持っている人たちが、たくさんいることに気がついたという。

「皆さんひたむきに業務改善に取り組まれていて、私がやっていることは間違いじゃないんだ、と思うことができました。これからも、kintoneを通じて、不動産業界をもっとよくしていけたらと思っています。本日、私が一番伝えたいのは、『IT未経験者でも、kintoneなら業務改善に取り組める』ということです」と河邉氏は締めてくれた。

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