トヨタ自動車とトヨタの子会社であるウーブン・プラネット・ホールディングスは6月2日、手軽に水素を持ち運びでき、生活圏の幅広い用途で水素エネルギーを使用できるポータブル水素カートリッジ(以下:水素カートリッジ)のプロトタイプを開発したと発表した。
両社は、カーボンニュートラル実現に向けた様々な選択肢を検討する中、水素を有力な選択肢の一つと位置付けている。
水素は利用時にCO2を排出しないクリーンなエネルギーであり、風力、太陽光、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーを使って水素を製造すると、製造工程においてもCO2の排出を抑えることが可能だという。
水素カートリッジはポータブルなサイズ(直径およそ180mm、全長およそ400mm)であるため、パイプラインなしで生活圏に水素を持ち運ぶことができるほか、カートリッジ型であるため容易に交換でき、すぐに使用できるというメリットがある。
また小規模なインフラで対応できるため、災害時にエネルギーが供給されず、孤立する地域や未電化地域などに貴重なエネルギーを供給できる可能性があるとしている。
現在、静岡県裾野市にて建設を進めるWoven Cityをはじめとした様々な場所での実証を通じて実用化に向けた検討を進め、水素が日々の生活で気軽に使用できるエネルギーとなることを目指しているという。
なお、6月3日~5日に富士スピードウェイにて開催されるスーパー耐久シリーズ2022第2戦において水素カートリッジのプロトタイプの展示を実施する。