ソフトバンクの子会社でIX(インターネットエクスチェンジ)事業を行なうBBIXと、BBIXの子会社でネットワークソリューション事業を展開するBBSakuraNetworksが、5月30日に新サービス「Open Connectivity eXchange」(以下、OCX)を提供開始した。
同日に開催された発表会には、BBIXの代表取締役 兼 CEOの池田英俊氏が登壇。まず、BBIXが展開する事業の現況と新サービスを開始する経緯について説明した。
BBIXはソフトバンク100%出資で2003年に設立。IXサービスを基盤に、2012年からはVNE(IPv6ローミングサービス)を提供し、2020年からはマルチクラウド接続サービスを提供するなど事業を拡大。現在は、日本だけではなく、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでも事業を展開している。
あらゆるものがデジタルに移行し、人と人だけでなく、物と物がつながる時代に「お客様に大きな付加価値を与えるサービスとしてOCXを提案したい」と語った。
続いて、OCXの責任者である、BBIX プラットフォーム本部長 兼 プラットフォーム事業本部 クラウド事業推進部 部長の佐々木秀幸氏からOCXの詳細について説明された。
OCXは、BBIXのIXプラットフォーム上で提供されるクラウド型ネットワークサービスだ。利用者は、専用のポータル画面で操作するだけで、さまざまなクラウドサービスやデータセンターに、高セキュリティーかつ低遅延で接続できる仕組み。これにより、ネットワーク機器の購入や維持管理の必要がなくなり、購入コストや維持管理コストを削減できるという。
ベースとなる利用料金は物理ポート利用時で月額1万9800円(税抜)から。実際には、その他のリソースメニューへの申込みが必要で、使い方や規模によって料金は変動するが、従来からの通信事業者向けサービスよりも安い料金で利用できることも利点だ。
サービス開始時点では、東京都内にある4つのデータセンターに接続拠点を開設し、拠点間のDCI(Data Center Interconnect)と各種クラウドサービスへの接続が提供される。データセンターは、NTTデータ大手町ビル(ブロードバンドタワー内)、アット東京 CC1、Equinix TY4、ソフトバンク 東京第四データセンターの4拠点。クラウドサービスの接続先は、AWS(Amazon Web Services)、GCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azure、さくらインターネット(さくらのクラウド)が用意され、今後拡大していく予定とのことだ。
ターゲットとする顧客は、クラウドを使う中小を含むすべての企業。佐々木氏は「これまで通信事業者向けのプラットフォームとしてサービスを提供していたが、これからは中小を含めたエンタープライズ領域に直接的にサービスを提供していきたい。クラウドをもう少し身近に感じていただきたい」と話していた。