高性能シミュレーターを公開
日本無線
個人的に会場で最も意外性を感じたのが日本無線(JRC)のブース。日本無線といえば日本を代表する業務用無線機メーカーで、空港気象ドップラーレーダーなどを作っています。また駅のデジタルサイネージも日本無線の機械だったりします。そんな同社が車用に作っているのが、なんとシミュレーター。
これがかなりの高精度なうえに、拡張性が高く、そしてインターフェースを公開しているのだとか。また車のほか、ドローン用のシミュレーターもあるそうです。
タイヤメーカーなのにタイヤがない!?
Continental
タイヤメーカーで知られるドイツのコンチネンタル。1904年、世界で初めて溝付きの車両用タイヤを生産した会社です。展示会ではタイヤをズラリ並べているのかと思いきや、タイヤは1つもなく。
あったのは何とFCV用の配管! コンチネンタルは現在ラバー事業、オートモーティブ事業、パワートレイン事業の3つの事業グループがあるそうで、ここではラバー事業以外を展示していたのだとか。他にも先進運転支援システムなども展示していました。
グラスファイバー国内トップシェア
日東紡
繊維メーカーである日東紡。特にガラス繊維の分野では、日本で初めてグラスファイバーの工業化に成功した企業で、国内トップシェアを誇ります。展示はもちろんグラスファイバーがメイン。
そんなグラスファイバーを使った製品のひとつがヘルメット。ARAIのヘルメットは日東紡のグラスファイバーからできているのか、と感心していたら、SUPER GTで活躍中の小暮選手のヘルメットが展示されているではありませんか。こういう使用例はわかりやすくてイイと思います。
バイクのクラッチで有名だが……
F.C.C.
日本のクラッチメーカーであるF.C.C.。特に2輪では世界首位の会社で、日本の四大メーカーのバイクのクラッチは、すべてF.C.C.製といってもよいほどです。ですのでバイクのクラッチが並んでいるのかと思いきや……。
セラミックス材料充填ペーパーなるものを展示。どうやら紙のように扱えて、焼けば硬くなるという素材のようです。
そして電動スクーター用のモーターとCVTも開発しているとのこと。これが実にコンパクト。バイクは2035年までに電動化が求められていますが、EVモデルは車と比べて少ない印象でしたが、ここまでできていたら、あとはバッテリーが小型化できれば……。
スパークプラグではなく固体電池
NGK
スパークプラグで知られるNGK。ガソリンエンジン車がなくなってしまったらどうなるのだろう? とブースを訪れたところ、思わぬものを見つけました。
固体電池です。同社の酸化物系固体電池は100度で使用可能なほか、不燃で安全とのこと。また大型化が容易なのだそうです。環境面でも硫化物フリーなので、流化水素の発生懸念がないそうです。
空飛ぶクルマの時代が来る!?
DENSO
自動車部品の大手であるDENSO。入場規制も手伝って、ブースに入るのが困難なほどの活況でした。そこで見つけたのは……。
空飛ぶクルマ用電動推進ユニットなるモーター! 近未来映画のようにクルマが空を飛ぶ時代を予感させるものです。何やら小型・軽量化が課題なのだとか。図によると垂直離着陸機(VTOL)のような回転翼機のような、ドローンのような形状を想定しているようでした。
音響ではなくデータロガー
TEAC
1953年に東京テレビ音響として創立。高級オーディオやプロ用DAWなどの分野で知られているTEACが、クルマ業界の展示会に何を出展されているのかと訪れてみました。
TEACブースで展示されていたのは、自動車開発用のデータロガーやデータレコーダー。振動などのほか、脳波や心電も計測できるそうです。このような機械を使ってクルマは作られるのですね。
普段はなかなか知ることのない企業を知るのも、専門展示会の面白いところです。自動車にか欠かせない企業がこれほど多いのかと驚くとともに、その技術力にも感心しました。
革に穴を開ける縫製器具
タジマ工業
自動車のシート等の縫製器具を製造するタジマ工業では、縫製器具の展示をしていました。縫製器具は普段見ることはないので興味津々で見てみると……。
どうやら革に穴をあける機械の様子。精密工業でいうとこのNC加工のように穴あけをしていくのですが、穴の密度ではなく大きさで表現していることに驚き。ちなみにお値段は1000万円位とのことでした。
ヘッドライトでメジャーな
小糸製作所
ヘッドライトで知られる小糸製作所はLEDヘッドランプを訴求。なかでもハイビームを訴求していました。
近年のハイビームは対向車や人を検知するとロービームに切り替わるものが多いのですが、その切り替わりは結構唐突だったりします。ですが小糸製作所は滑らかに切り替わるものを開発。しかも使っているLEDの個数は同じだそうで、その制御方法にコツがありそう。詳しいことは教えてもらえませんでしたが、小さな障害物を横切らせると、実に滑らかにその部分だけロービームになるからスゴイ!
セルフクリンチングファスナー技術
PEM(PCCディストリビューション・ジャパン)
PEM(ペン・エンジニアリング&マニファクチャリング)は、自動車にはかかせないネジやボルトを作っている会社です。
ボルト止めしたうえに上からパンチすることで、より締結力を高めるというセルフクリンチングファスナーという技術がウリです。なにやら欧州車にも使われているそうです。ちなみにPCにも使われているんですよ。ということで、係員の方に手で持っていただき写真をパチリ。
係員の方のお顔を見たら、なんとミスFLASH2019グランプリを獲得、今年もサーキットの華として活躍しているアメージング・ビーナスこと沙倉しずかさんではありませんか! 展示会が終わったら、そのままSUPER GTのため鈴鹿へ行くのだとか。実に働き者さんです。
ということで、人とクルマが結ぶ縁も感じながら、展示会を後にしました。7月には名古屋でも開催される予定とのことですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。面白い発見がありますよ。